日立、自動車制御システムの安全要件を統一した記号で記述し、自動検証できる技術を開発

日立製作所は2016年9月26日、日立オートモティブシステムズと共同で自動車メーカや自動車部品メーカが制御システムの設計開発段階で作成する安全要件について、統一した記号で記述することにより、コンピュータで自動検証できる技術を開発したと発表した。

従来安全要件は日本語や英語を用いて記述されてきたが、言語の解釈に曖昧な点があるために、安全要件の記述に漏れが発生する可能性があり、専門知識を有する設計者でも検証には多くの時間を要していた。

これらの問題を解決するために両社は、安全要件を論理式で記述することよって記号化し曖昧さをなくしたことで、漏れがないことを自動検証する技術を開発した。この技術は北陸先端科学技術大学院大学の協力を得て開発された。

安全要件を従来の自然言語から、厳密な論理式で定義することによって、検証ツールに入力する内容を明確にし、同時に設計者にとっても安全要件の読み書きが容易になる。これにより安全要件の確認に要する時間も1/10に短縮する。

両社では、実際に電動パワーステアリングの制御システムに当技術を適用し、要件定義書に現れる全ての安全要件を記述/検証できることを確認している。また、従来の英語の記述に対して記述量を30%削減、約60分かかっていた目視による検証を約6分に短縮できることを確認している。また当技術は、第三者試験認証機関であるテュフズードに、機能安全規格ISO 26262への対応での有効性を認められている。

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