女性技術者が学び、交流し、働き方を考える場を提供する――日本女性技術者フォーラム 金田千穂子氏

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2015年10月12日、東京大学 本郷キャンパスにて、「2015年度JWEF女性技術者に贈る奨励賞」の授賞式が行われた。同賞は2009年に開設され、「職場においてリーダーシップを発揮し活躍している若手女性技術者」を毎年表彰している。主催する「日本女性技術者フォーラム」(以下、JWEF)の2014~2015年度 運営委員長を務める金田千穂子氏に、JWEFの活動や女性技術者を取り巻く環境について聞いた。(執筆: 杉本 恭子、撮影:fabcross編集部)

女性技術者や技術者を目指す女子学生に、学びや自己啓発の場を提供

奨励賞受賞者の日本放送協会 諸岡志保さん「生活スタイルは、誰でも変わるもの。楽しく、何でもやることが大事。やり方はいろいろあるはずで、できない理由はない」

奨励賞受賞者の日本放送協会 諸岡志保さん「生活スタイルは、誰でも変わるもの。楽しく、何でもやることが大事。やり方はいろいろあるはずで、できない理由はない」

JWEFは、「女性技術者相互の交流と情報交換によりその能力を発揮することのできる場を創成し、女性技術者の社会的貢献を高める」ことを目的に、1992年に設立された。2015年10月1日時点での会員数は178名(学生会員34名を含む)で、法人会員は12社。特に法人会員は、この1年で倍増しているという。

JWEFの運営は会員から選出された運営委員会によって行われ、業種・業界を超えた女性技術者相互の交流、技術者を目指す女子学生への情報提供やロールモデルの提示、講演会・研修会など、学びや自己啓発の場の提供を中心に活動している。今年も 総会のほかに、「ロールモデルカフェ」や「メンタリングサロン」、企業の研究開発の現場を訪問する見学会などを開催している。

今回授賞式が行われた「JWEF女性技術者に贈る奨励賞」も、2009年から行っている活動の1つ。授賞式では、奨励賞と審査員特別賞の受賞者 2名による講演も行われ、仕事の内容、キャリアやワークライフバランスなど、はつらつとした発表に参加者は聞き入っていた。

審査員特別賞受賞者のコクヨ株式会社 矢野智子さん「自分なりにワークとライフのバランスを設計する。心と体をリフレッシュし、仕事のモチベーションやアウトプットにつなげることが重要」

審査員特別賞受賞者のコクヨ株式会社 矢野智子さん「自分なりにワークとライフのバランスを設計する。心と体をリフレッシュし、仕事のモチベーションやアウトプットにつなげることが重要」

JWEF運営委員長の金田氏は、「チャレンジしてきた人たちは、我慢ばかりしていないで声を上げるとか、自分で何か始めるとか、元気でアクティブ。他の人たちの生き方を知ることは、とても参考になると思います」と語る。

女性技術者の活用が「いまひとつ」なのはなぜ?

女性の能力については、「コミュニケーション能力は、平均して男性より高いと思います。また、段取りや目配りが得意な人も多いので、女性はマネジメントにも向いていると、個人的には思っているのですが……」と金田氏。しかし、「日本では、女性技術者の活用がなかなか進まない」のが現状だという。

では、なぜ進みが遅いのか。理由の1つは、企業や働く人たちの意識にある。「国の指導もあって、一定の規模の企業ではガイドラインなどを作っていますが、それが末端まで浸透しているかというと、必ずしもそうではないように思います」(金田氏)。待遇や評価の理由として、「女性だから」と口に出す人はいないと思うが、所属部署の管理職や上司の意識次第で、男性が先に引き上げられるという実態もなくはない。

一方で、女性側の意識についても、「出産や子育ては、経験しなければわからないことも多いですが、現在は情報があふれているため、女性側も心配しすぎている印象を受けます。制度は整いつつあっても、パートナーの考えなど、個人的な側面もあります」と指摘する。

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