未経験・第2新卒でも飛び込める産業用ロボット開発者への道。「動くものを制御する」経験を


本コラムは、エンジニア専門の人材紹介会社メイテックネクストのキャリアコンサルタント・河辺真典氏からの寄稿です。旬のキーワードを取り上げ、エンジニアのキャリア形成に役立つ情報を発信していきます。


ここまでの記事1と記事2 で、産業用ロボット開発者のキャリア動向についてご紹介してきました。

3回目となる今回は、未経験から産業用ロボット開発者になる方法、求められる資質について、解説していきたいと思います。

産業用ロボットメーカーは、第2新卒から50代のベテランにまで門戸を開く

前回お伝えしたように、産業用ロボットのメーカーの中には、中小規模の企業も多く含まれています。

中小規模の企業で最も歓迎されるのは、産業用ロボット関連の開発経験があるベテランエンジニア。人手不足で困っているところが多いので、すぐに重要なプロジェクトを任せてもらえるようになるはずです。

ただ、そうした企業は、一線級の技術者を中途採用することが難しいので、基本的には自社で技術者を育てていく方針を採っています。

ですので、機械系か電気系の専攻を卒業していれば、未経験でもポテンシャルを評価されれば採用される可能性が高いです。もちろん、即戦力となる技術者も採用できるものなら採用したいので、そうした企業の求人情報を見ると「第2新卒~50代のベテランまでOK」と書かれていることが多いですね。

未経験からすぐに大手企業などで働きたいと考えてもなかなか難しいかもしれませんが、中小~中堅規模のメーカーであったら十分に採用してもらえるチャンスはありそうです。

主体的に機構開発プロジェクトにかかわろう。「動くものを制御する」経験が重要

年齢が30歳を超えていて未経験だが、それでもロボット開発に携わりたいと考えているのなら、まずは自社の中で「動くものを制御する」という仕事を経験できるように社内で働き掛けてみてください。

ゲームセンターに置かれているゲーム機のメーカーで働いているのなら、UFOキャッチャーのようなクレーンを動かしたり降ろしたりする動きのある装置の開発に携わること。そうした機構を開発した経験があるかどうかで、市場での評価は大きく変わってきます。

どのタイミングでどんな信号が届いたら、どこの機構をどのように動かす――といったシステム設計を頭の中で思い描けること。タイミングチャートを作成できることがロボット開発者にはまず求められます。

続いては、モーターや、油圧・空圧式のアクチュエーターなどの特性を理解しているかどうか。ただ、このあたりは100%分かっていなくても構いませんし、得手不得手もあると思います。経験によってカバーできる面もありますので、基本的な部分だけでもしっかりと押さえておくことが必要です。

そうした基本的な部分を分かっておくためには、やはり「動くものを制御する」経験をするのが一番。将来的にロボット開発に携わりたいのなら、上司に機構部分の開発業務を任せてもらえるように働き掛けるなど、主体的に自分の担当業務を選んでいくことで、ロボット開発者としてのキャリア形成の幅が広がっていくと思います。


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河辺 真典(メイテックネクスト 執行役員)

メイテックネクストでは、エンジニア専門特化の強みを生かし、豊富な業界知識・技術知識に基づいて「失敗しない転職」のお手伝いをいたします。
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