刺激的に楽しく! 自分が楽しくなければ、ワクワクは作れない——NTTぷらら 関奈々恵氏

映像配信サービス「ひかりTV」は、高画質の映像だけでなく、音楽やカラオケ、アプリ、ショッピングなど、どこの家庭にもあるテレビで幅広いエンターテインメントを楽しめるサービス。提供するNTTぷらら 技術開発部の関奈々恵さんは、日々進化する技術とエンターテインメントのど真ん中で、私たちが快適に操作できるユーザーインターフェースを研究し、ワクワクできる時間を演出してくれている。(執筆:杉本 恭子、撮影:水戸 秀一)

技術革新の激しい、刺激的な仕事

――現在の仕事内容を紹介してください。

NTTぷららが提供している映像配信サービス「ひかりTV」の画面デザインなど、ユーザーインターフェース全般の開発に携わっています。

画面操作は、基本的にはリモコンで行いますので、ボタンの押し心地や押し方の種類など、リモコンに関する仕様の提案をすることもあります。

この世界は、高解像度化やスマートフォンとの連携など、技術革新が目覚ましいので、毎日の業務はとても刺激的です。音楽やゲーム、アプリ、ショッピングといったコンテンツの種類や、スマートフォンで観たり操作したりできるなど、機能もどんどん増えています。

日本一、世界一といえるサービスを提供するには、スピード感を持って開発しなければなりません。プレッシャーもありますが、とても楽しい仕事です。

ユーザーに「ワクワク」と「楽しい」を届けたい

関さんが開発に携わった、ひかりTVのホーム画面ユーザーインターフェース。楽しく、わかりやすい画面設計を常に意識している

関さんが開発に携わった、ひかりTVのホーム画面ユーザーインターフェース。楽しく、わかりやすい画面設計を常に意識している

――ユーザーインターフェースを開発するときに、心掛けている点は。

お客様がストレスなく、快適に操作できるようにすることです。

ひかりTVは高解像度が特徴の1つですので、コンテンツが魅力的に見えるように、サムネイルなどにできるだけ高画質な画像を使用しています。解像度が高くなると処理するデータ量も多くなりますが、それでも気持ちのいいスピードで操作できるように、あるいは遅いと感じさせないように工夫をしています。

また人が一瞬で認識できる文字数には限界がありますので、絵やアイコンを活用して直感的に、より楽しく使えるユーザーインターフェースになるように心掛けています。

例えば、機器の設定などはただでさえ難しくて面倒ですから、画面にたくさんの文字で説明が表示されたら、設定するのが嫌になってしまう方もいらっしゃいます。でも絵やアイコンを活用して直感的に分かりやすい画面であれば、お客様も楽しみながら設定していただけるのではないかと思います。

テレビっ子だから、テレビの仕事がしたかった

「生まれながらのテレビっ子」。小さいころから、好きなアニメの時間にはテレビの前に座っていたとか

「生まれながらのテレビっ子」。小さいころから、好きなアニメの時間にはテレビの前に座っていたとか

――なぜこの仕事に就いたのですか。

私はテレビっ子なので、テレビに関連する仕事がしたいと思ってこの仕事を選びました。

でも学生時代はまったくテレビとは関係ないことを学んでいて、大学の専攻は日本文学部の言語学でした。もともとは古文の文法を分解したりするのが好きで、国語の先生を目指していたのですが、2人しか採用しない枠に200人も応募があることを知り、これは絶対受からないなと。それなら大勢募集している職種の方がいいと考えて、家族を説得し、テレビに関連するSEに絞って就職活動をしました。

――今までで一番大変だった仕事は。

もともとNTT東日本、NTT西日本、NTTコミュニケーションズの3社は、それぞれが個別に映像配信サービスを提供していたのですが、それを2008年に1つに統合しました。

3社のサービスは内容も異なり、コンテンツも各社で調達していましたし、お客様の管理や課金のシステムも、操作画面も、何もかも3社分あります。

しかも既にお客様の手元には、それぞれ仕様の異なる各社のチューナーがあり、そこに統一したコンテンツを配信しなければなりません。開発期間は4カ月ぐらいしかなく、すべて対応するのは大変でした。

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