アナログ回路設計に大事なのは、人の“感性”――トレックス・セミコンダクター 大久保誠寛氏

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入社後すぐ、企画・試作から量産立ち上げまでの業務を経験できた

――入社後の仕事について教えてください。

2004年に入社し、12年経ちました。入社後1年半くらいは先輩が設計した製品の評価や、次の設計に携わるための土台づくりをしていました。

そこから、製品として実験的な要素を含んだ回路を設計して、それを評価し、製品化に向けた企画を立てて、量産立ち上げまで行うところまで、一連の業務を経験しました。

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――プロトタイプ開発から、量産立ち上げまで一貫して経験したわけですね。

そうですね。自分1人ですべてを担当したわけではないですけど、企画から量産の立ち上げまで、すべてに関わりました。4~5年目くらいまでに一通りの業務を経験し、そこから大体2~3年を1サイクルとして、1サイクルで1製品を立ち上げています。

最初に担当した製品は「XC6601」シリーズと言います。このシリーズは1V系の低電圧アプリケーション向けに開発したもので、低入力電圧動作と低オン抵抗を実現したリニア・レギュレータです。

初めて自分で企画段階から設計した製品で、しかも当社がそれまで展開していたシリーズラインアップにはなかったシリーズです。その回路の基礎であるコア部分を先輩と一緒に作り上げ、新しいラインアップに加える仕事になりました。

会社の中で一番手として新しい分野に取り組めることにモチベーションを感じましたし、XC6601シリーズ自体が数年先を見据えて開発した将来性のある製品だったので、とてもやりがいを感じながら開発を進められました。

大久保さんが最初に担当したというXC6601シリーズ。1V系の低電圧アプリケーション向けに開発した、低入力電圧動作と低オン抵抗を実現したリニア・レギュレータだ

大久保さんが最初に担当したというXC6601シリーズ。1V系の低電圧アプリケーション向けに開発した、低入力電圧動作と低オン抵抗を実現したリニア・レギュレータだ

その後、入社して5~8年目の期間中に、4製品ほどを立ち上げました。そして最近では、車載、産業機器などの高耐圧アプリケーション向けの「XC6702」シリーズを担当しました。CMOSプロセスを採用した36V入力の低消費電流リニア・レギュレータになります。

CMOSプロセスを採用した36V入力の低消費電流リニア・レギュレータXC6702シリーズは車載、産業機器などの高耐圧アプリケーション向けに開発された

CMOSプロセスを採用した36V入力の低消費電流リニア・レギュレータXC6702シリーズは車載、産業機器などの高耐圧アプリケーション向けに開発された

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