酸化亜鉛をベアリングボールにコーティング——摩擦係数2/3、燃料消費1%削減

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物質・材料研究機構、東北大学、フォックスコーポレーションは2016年6月8日、酸化亜鉛(ZnO)をベアリングボールにコーティングする技術「ZnOコーティング」を開発し、ベアリングの摩擦係数を約2/3に低減させるのに成功したと発表した。また、同技術を用いたベアリングを小型ジェットエンジンに搭載し、燃料消費量を1%削減するのに成功したと報告している。

エンジンを省エネルギー化するには、エンジンに使うベアリングで起きる摩擦を低減するためのコーティング技術が必要だ。一方、エンジン内の駆動部は高温に曝されるため、コーティング技術用の素材は耐熱性がなければならない。そのため、物質・材料研究機構らの研究グループは、摩擦低減効果と耐熱性を兼ね備えたZnOに注目した。

同研究グループは今回、籠状のサンプルホルダーにベアリングボールを入れて回転させることで結晶配向性を制御しながら球状のベアリングボール上にZnOをコーティングする技術を開発。これにより、ベアリングの摩擦係数を約2/3に低減することに成功した。

ZnOコーティングしたベアリングを小型のジェットエンジンに組み込んで評価した結果、燃料消費量が1%低減したという。そこで、燃料の調達が困難な災害時用発電機の小型化にも取り組み、ZnOコーティングしたベアリングを搭載した小型ジェットエンジン発電機も開発した。同発電機は、重量が約40kgと大人2人で運べる程度の重さながら、およそ家庭2軒分の消費電力に当たる8000Wの出力を取り出せる。

ZnOコーティングは、常温から高温まで、油中、真空中、大気中において幅広く使用できるため、ベアリングへの応用だけにとどまらず、低摩擦化が必要なあらゆる駆動部への応用が期待される。今後、自動車などの多くの駆動部に同技術を適用すれば、さまざまな分野での省エネルギー化を進められるとしている。

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