オハラ、-30℃の低温下で駆動する全固体リチウムイオン電池の試作に成功

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オハラは2016年8月24日、酸化物系材料を用いた全固体リチウムイオン電池において、積層シートの一括焼結製法を用いることで、-30℃という低温下においても駆動する電池の試作/実証に成功したと発表した。

モバイル機器市場の拡大やクリーンエネルギーのニーズなどにより、次世代電池に対する期待が高まっている。現在普及しているリチウムイオン電池など既存電池のほとんどは、電解質に有機材料で構成される電解液を用いている。このため、液漏れによる発火事故の可能性など、安全性での課題がある。

また、自動車などさらに高出力/大容量が求められる用途向けの電池も求められており、それらの要望を満たす将来的な次世代リチウムイオン電池の候補として、全固体電池や空気電池などの研究が進められている。

そうしたなか、同社は1995年にリチウムイオン伝導性ガラスセラミックス「LICGC」を開発。現在LICGCは、次世代リチウムイオン電池の固体電解質やリチウム資源回収/精製用選択透過膜として、様々な研究開発機関において利用されているという。

今回試作に成功した全固体リチウムイオン電池は、固体電解質にLICGC、正極及び負極に酸化物系材料を用い、粉末シートを積み重ねた上で、焼結により作成されたものだ。

全固体電池は界面抵抗が大きく、低温下の特性が低下するという課題があった。そこで、電池を積層構造化することにより、液式リチウムイオン電池では駆動が難しい-30℃という低温下においても、駆動させることができた。一方、金属リチウムを使用しないため、200℃以上という高温環境でも燃えることはなく、著しい変質劣化も示さない。また、安価な工程構築も可能だという。

同社では、2017年にかけて、小型電子機器用途における課題の抽出及び対策を進め、2019年の電池部材としての採用を目指すという。将来的には、住宅等の定置型蓄電池システムや電気自動車向け電池などでの採用も視野に入れ、展開を進めるとしている。

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