日立、AIを活用しリアルタイムに人物を発見・追跡する技術を開発

日立製作所は、AI(人工知能)を活用して、性別や服の色、所持品など100項目以上の人物の特徴をリアルタイムに判別することで、探したい人物を発見し追跡できる技術を開発した。防犯カメラ映像などから特徴に合致する人物を発見し、また顔の映らない後ろ姿などの映像からでも、広範囲に人物の足取りを把握できる。

今回開発された技術の1つは、人物の外見と動作の特徴を高速で判別・検索する技術。カメラに映った人物の性別、年齢層、髪型、服装の種類、色、所持品など、12種類100項目以上の外見の特徴と、歩く、走る、しゃがむなど、10項目の動作の特徴をリアルタイムかつ同時に判別するAIを開発した。

従来、項目ごとに異なる演算を行なっていたものを、複数項目を同時に判別可能な演算方法を用いて必要な計算量を約40分の1(同社従来技術比)に削減し、条件を指定することで高速に人物を発見できるようになった。

さらに、人物の全身画像を詳細に解析して、同一人物の映像を抽出する技術も開発した。画像をリアルタイムに画像解析、数値化して、体の向きや明るさが異なっても同一人物だと把握できるAIを開発し、その画像解析結果を同社独自の高速ベクトル検索データベースに記録。数万人の画像が記録された映像の中から1秒以内で同一人物の映像を抽出できる。顔画像を解析した場合と比べ、同一人物の発見精度を3倍以上(同社従来技術比)に改善した。

これまで防犯カメラによる監視・警備システム向けには、服装の色や、事前に撮影した顔の画像を手掛かりに、人物を発見・追跡する技術が開発されている。しかし、似た色の服を着用している場合や、目撃情報が限られている場合、また顔が正確に映らない場合などには、人物の発見・追跡が困難だった。

同技術を利用することで、多数の特徴情報をリアルタイムに判別して該当する人物を見つけ出し、その人物の足取りをリアルタイムに広域の防犯カメラ映像の中から抽出できる。今後同社では、同技術を公共空間など広域での警備、防犯システムなどに活用していくという。

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