中国科学院、大気中の窒素を利用するリチウム窒素電池を発明――アンモニア生成プラントにも応用可能

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中国科学院(CAS:Chinese Academy of Science)長春応用化学研究所(CIAC:Changchun Institute of Applied Chemistry)の研究チームは、大気中の窒素を利用した「リチウム窒素(Li-N2)電池を試作し、研究成果を化学誌『Chem』に発表した。

Li-N2電池は、Li金属ホイルのアノード、エーテルベースの電解液とグラスファイバー製セパレーターを使い、カーボンクロス(CC)をカソードとするものだ。今回のコンセプト実証では、放電時に大気中の窒素から窒化リチウム(Li3N)が合成され、得られた電力は微弱ながら、既存の金属気体電池(Li-SO2やLi-CO2など)に匹敵するものだという。

放電プロセスにおける窒化リチウムの合成は、リチウム窒素電池のもうひとつのメリットだ。窒素分子は、三重結合をもつ非常に安定した気体であるため、これを乖離させてアンモニアなどファインケミカルや農業用肥料に有用な窒素化合物に変換するには大きなエネルギーが必要だ。工業化学的に水素と窒素からアンモニアを得るハーバー・ボッシュ法は、高温・高圧を必要とし、原料となるメタン由来の二酸化炭素を大量に放出するなど、環境負荷が高いという。

Li-N2電池は、放電時に大気中の窒素から窒化リチウム(Li3N)を生成する。窒化リチウムは大気中の水蒸気と常温で容易に反応して水酸化リチウム(LiOH)とアンモニア(NH3)となるため、巨大なプラントを必要とせず、低エネルギーでどこでもアンモニアを生産できる可能性があるという。

CIACのXin-Bo Zhang教授は、「今回の窒素固定電池システムは、エネルギー貯蔵法の技術的な進歩に加え、大気の窒素を使った画期的な可逆的窒素固定サイクルを提示するものだ。まだ研究の初期段階だが、このLi-N2電池システムの研究を続けることが重要だ」とその意義を説明している。

関連リンク

Reversible Nitrogen Fixation Based on a Rechargeable Lithium-Nitrogen Battery for Energy Storage

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