富士経済、AI含めたロボット世界市場を調査――製造業ロボット市場は約10年で8.7倍に

富士経済は2017年4月28日、製造業・非製造業向けやサービス系、AI(人工知能)などの世界のロボット市場を調査し、調査内容をまとめた報告書「2017 ワールドワイドロボット市場の現状と将来展望」の一部を発表した。

報告書では、製造業向けロボット16品目、半導体・電子部品実装向けロボット7品目、サービス系ロボット9品目、非製造業向けロボット5品目、AI(人工知能)5品目、ロボット向け注目構成部材8品目の世界市場について、現状分析と将来予測を記載している。

同社が注目市場として挙げた製造業向けロボットの「ヒト協調ロボット」の市場は、2016年の309億円から2025年には 8.7倍の2700億円規模に成長すると予測。2015年に立ち上がったばかりの市場で、2016年に一気に規模が拡大した。いち早く導入が進んでいるヨーロッパ では需要先が大手のみならず中堅企業にまで広がり、アジアでは大手EMSで導入されて市場が拡大した。

今後も、中国における人件費の高騰や多品種小量生産に対応する必要性から需要が拡大すると分析しており、韓国や台湾、東南アジアでも自動化ニーズの高まりを受けて導入が始まると予測している。将来的には、AIやIoTなどを活用したロボットが自律性を高めていくことによってより柔軟に生産できるようになり、スマート工場の一部としての導入が進むとしている。

「パワーアシスト・増幅スーツ」の市場は、2016年の31億円から2025年には5.2倍の160億円になると予測している。現状、国内市場が9割を占め、介護支援や自立支援といった用途で需要が好調。厚生労働省の「ロボット介護機器開発・導入促進事業」などの補助施策を受けて、導入する施設が増加している。海外でも複数メーカーが販売しているが、価格が高いことなどから需要の伸びは低いという。

今後は、医療用途でも需要が増加すると見ている。サイバーダインの「HAL」医療用(下肢タイプ)が、緩徐進行性の神経・筋疾患用として販売を承認され、レンタル事業も開始した。将来的に適用疾患の拡大も期待されるとした。医療用途以外の農業や水産業、建設現場、倉庫内作業なども潜在需要は大きいと見ているが、価格が高いため導入が進みにくいのではないかと予測している。

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プレスリリース
2017 ワールドワイドロボット市場の現状と将来展望

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