米大学、超弾性を備えた形状記憶エアロゲルを開発

時間経過により、元の形状に柔軟に戻る様子

米ミズーリ工科大学の研究チームが、ゴムのような弾性を備え、元の形状を記憶できる高分子エアロゲルを考案した。従来から知られる形状記憶合金に比べて遥かに軽量であり、柔軟性と充分な強度を持つことから、生体工学的な利用を始め、広範な応用が期待される。研究成果は、米国化学学会『Chemistry of Materials』誌に5月2日付で掲載されている。

エアロゲルは、シリカゲルや金属酸化物ゲル、ポリマーゲルに含まれる液体を気体で置換することにより作られ、オフショアの石油パイプラインやNASAの宇宙ミッションにおける断熱材などに広く実用化されている。その中で、高分子エアロゲルは、ナノ多孔性構造を持ち、優れた柔軟性や機械的強度を備える。同研究チームは、この高分子エアロゲルにさらに形状記憶特性を付与することに成功した。

「我々が開発した特殊なポリウレタン・エアロゲルは超弾性を示し、どの方向にも曲げられるし、平らに広げることもできる。そして、外部からの操作により元の形状に再び戻すことができる。つまり、低温で変形すればその状態を保持し、室温に戻せば変形前の形状を回復するという形状記憶効果を備えている。」と、研究プロジェクトのリーダーであり、ミズーリ工科大学化学科Curator特別栄誉教授であるNicholas Leventis博士は説明している。

研究チームは、筋肉の連動した動きをシミュレートする「バイオニックハンド」のモデルをエアロゲルで作成し、その高い形状記憶効果を立証した。このモデルは、外部から熱の刺激を受けると、開いた手のひらが閉じて、ペンを掴むことができる。

「これは、エアロゲル分野における究極の目標の1つを達成したものと考えている」と、Leventis博士。「このエアロゲルには、将来的に、生体工学的な応用が多く考えられる。超軽量にも関わらず、弾性と柔軟性を併せ持つことは、利用可能性の範囲を拡大する」と、期待している。

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Researchers create shape-memory aerogels with rubber-like elasticity

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