富士電機、パワエレ機器の省エネに寄与する「トレンチゲート構造SiC-MOSFET」を開発

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開発したトレンチゲート構造SiC-MOSFET素子(左)と同素子搭載予定のオールSiCモジュール(右)

富士電機は2017年6月26日、世界最高レベルの低抵抗を実現し、パワエレ機器の省エネに寄与するパワー半導体「トレンチゲート構造SiC-MOSFET」を開発したと発表した。2017年度中を目途に、SiC-MOSFETとSiC-SBDで構成されたオールSiCモジュールとして製品化する。

SiC(炭化ケイ素)を素材とするSiCパワー半導体は、Si(シリコン)パワー半導体に比べて電力損失が低く(低損失)、パワエレ機器の省エネを実現できる次世代パワー半導体として普及が期待されている。同社では、2013年10月にSiCパワー半導体の生産ライン(6インチウェハー)を立ち上げて製品開発に取り組むとともに、インバーターやUPS(無停電電源装置)など同社製パワエレ機器への適用を進めてきた。

今回の製品は、「トレンチゲート構造」によるSiCパワー半導体。パワー半導体においてウェハーにトランジスタを形成する方法には、電流経路を水平方向に作る「プレーナーゲート構造」と、ウェハに溝(トレンチ)を掘り垂直方向に電流経路を作るトレンチゲート構造がある。トレンチゲート構造は、セルの幅を短くできるため、多くのセルを搭載することで、より多くの電流を流すことができる。トレンチゲート構造は、電流のON/OFFを行う「ゲート」の結晶面(電流が流れる面)の電気抵抗をいかに下げられるかが、開発のポイントになる。

今回同社では、独自技術により、信頼性を損ねることなく、しきい値電圧5Vで世界最高レベルの低抵抗(3.5mΩcm2)を達成。プレーナーゲート構造に比べて50%以上電気抵抗を低くすることに成功した。このトレンチゲート構造SiC-MOSFET素子を適用したオールSiCモジュールをインバーター(出力7.5kW、周波数20kHz)に搭載した場合、Si製(第7世代IGBTモジュール)に比べて、電力損失を78%低減できるという。

主な性能としては、耐圧クラス 1200V、オン抵抗 3.5mΩcm2、しきい値電圧 5.0V。

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