ケンタウルス座アルファ星系を目指して――超小型宇宙船「Sprite」打ち上げ成功

ケンタウルス座アルファ星系の探査を目指す「Breakthrough Starshot」プロジェクトは、超小型宇宙船プロトタイプ「Sprite」の低高度軌道への投入に成功したと発表した。

Breakthrough Starshotは、2016年4月にロシアの投資家Yuri Milner氏とイギリスの理論物理学者Stephen Hawking氏によって発表された恒星間飛行の実証実験を目指すプログラムだ。太陽系から最も近い恒星であるケンタウルス座アルファ星系にむけて、超小型・超軽量の探査機をレーザー推進システムにより光速の20%まで加速、打ち上げ後20年での到達を目指すものだ。

アルファ星系はアルファ星A、アルファ星B、そして暗く小さな赤色矮星アルファ星C(プロキシマ・ケンタウリ)から成る、めずらしい三重連星だ。このうち太陽から約4.24光年の距離にあるプロキシマ・ケンタウリには「プロキシマ・ケンタウリb」と呼ばれる惑星があり、生命が存在する可能性がある「ハビタブルゾーン」を周回していることから、Breakthrough Starshotでは写真撮影やデータ計測などのフライバイが計画されている。

Spriteは、2011年にKickstarterでクラウドファンディングが行われ、2014年にケープカナベラルから打ち上げられたパーソナル・スペースクラフト「KickSat」で使われた人工衛星ユニットがベースとなっている。大きさ3.5センチ四方、重さ4gの超小型軽量ボディに、マイクロコントローラ、太陽電池、通信機などを搭載する。米コーネル大学で組み立てられた6機のSpriteが「Venta-1」および「Max Valier」という人工衛星打ち上げのセカンドペイロードとして打ち上げられ、うち4機が今後宇宙空間へと放出され、衛星軌道上で電子機器の性能試験などを行う予定だ。

Kickstarterに掲載されたSpriteの紹介画像

同パーソナル・スペースクラフト「KickSat」

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