東芝、曲げられる太陽電池モジュールの低コスト・高効率化技術を開発

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東芝は2017年9月25日、独自の塗布印刷技術を用いて、樹脂フィルム基板上にペロブスカイト太陽電池モジュールを作製し、5×5cmサイズのモジュールで世界最高となるエネルギー変換効率10.5%(一般財団法人電気安全環境研究所の測定による)を達成したと発表した。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業「高性能・高信頼性太陽光発電の発電コスト低減技術開発」による成果だ。

光吸収層がペロブスカイト構造の結晶で構成されているペロブスカイト太陽電池は、印刷プロセスで作製できるため低コスト化でき、また高い変換効率のポテンシャルも有している。フィルム型のペロブスカイト太陽電池モジュールはさらに、耐荷重性の低い建築物や曲面への設置など多様な設置形態を可能にするが、従来は均一で大面積なペロブスカイト多結晶膜の形成が困難だった。また、モジュール作製に必要なスクライブ工程で電極上の膜を十分に除去できず、変換効率が下がるという問題もあった。

今回の開発では、PENのような樹脂フィルムを基板として用いることから、セル構造として150℃以下の温度で作製できるプレーナ型逆構造(下図)を採用した。さらに同社の有機薄膜太陽電池の研究開発で培われたメニスカス塗布印刷技術で、CH3NH3PbI3(メチルアンモニウムヨウ化鉛)ペロブスカイト多結晶膜の均一成膜に成功。セルごとの特性ばらつきを低減させてモジュールとしての効率を向上し、大面積化の課題に対応した。

またモジュール作製のスクライブ工程では、弱い刃圧でも電極上の膜が良好に除去できる材料の組み合わせにより、ガラス基板を用いた場合と同等レベルにセル間抵抗を減少。さらに樹脂基板向けに開発したITO透明電極のシート抵抗低減も寄与し、変換効率の10%超えを実現した。

今回のモジュール技術はフレキシブルなフィルム基板を用いているため、ロール・ツー・ロール方式で作製でき、低コスト化が可能だ。また、高効率のポテンシャルを持つペロブスカイト太陽電池のため、一層の高効率化も期待できる。同社では今後、ペロブスカイト材料の組成変更やプロセス改善等により、モジュールサイズの拡大と変換効率向上を進める。

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