東北大、プラスチックの劣化・健全度診断をテラヘルツ波による非接触診断技術で実現

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テラヘルツ波発生の概念図

東北大学は2017年9月27日、同大学の小山裕教授らの研究グループが、テラヘルツ波を用いてプラスチックの機械的歪みや劣化を非破壊・非接触で診断できる技術を開発したと発表した。

テラヘルツ波は電波と光の性質をあわせ持つ高周波数の電磁波で、非破壊検査をはじめとする様々な応用が期待されている。小山教授の研究室では、テラヘルツ波の発生源から新しい光学部品など、幅広い研究開発を進めてきた。

今回の研究では、同研究室で開発してきたテラヘルツ波が直線偏光であることを活かすテラヘルツ偏光分光に基づいた、ポリマー(特にポリオレフィン系の結晶プラスチック)の内部歪みを非破壊・非接触で診断できる新技術を実証した。使用中のプラスチックの歪みや劣化を安全に診断にできる非接触診断技術が求められていることに対応した研究だ。

同技術は、ポリマーを構成する分子鎖のゆらぎがテラヘルツ波のエネルギーと同程度であり共鳴するという現象に基づき、分子鎖の並び方が歪みで変化する様子をテラヘルツ波で検出するもの。分子鎖のゆらぎによるテラヘルツ波の吸収は、テラヘルツ波の偏光方向が歪みに対して平行か垂直かで異なるため、テラヘルツ波を用いて歪みの大きさと方向を決めることができる。

また、ポリマーの分子鎖同士が結びついている程度(劣化進行度)をテラヘルツ波と共鳴する周波数シフトから知ることができ、廃棄プラスチックがリサイクルできるかどうかの判断も非破壊で行うことが可能だ。

今回の技術は、テラヘルツ波のエネルギーの大きさが室温と同程度で人体に安全であり、また装置を小型にすることができる。そのため、プラスチックが多く使われているプラントや電気設備を稼動したまま、現場での非破壊検査ができるようになる。

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