米州立大、SiCパワーデバイスのコストを大きく削減する製造技術を開発

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SiCパワーデバイスは、Siベースのものより効率が高い。

ノースカロライナ州立大学の研究チームは、SiC(Silicon Carbide:炭化ケイ素)パワーデバイスを製造する新しいプロセスとチップデザインを開発した。「PRESiCE」と命名されたこの製造プロセスにより、多くの企業がSiC市場に参入することが期待されている。研究成果は、9月17日からワシントンDCで開催された『International Conference on Silicon Carbide and Related Materials』で公表されている。

電力制御用に用いられる半導体であるパワーデバイスは、一般的にシリコンベースのダイオードとトランジスタから構成されている。次世代パワーデバイスとして期待されているSiCデバイスは、Siデバイスに比較して2つの利点がある。

1つは、電力損失が小さく高効率なことだ。Siトランジスタの10%に対し、SiCトランジスタの発熱による損失は7%だ。高効率かつ発熱が少ないことにより、冷却に必要な設計上の配慮も少なくなる。もうひとつは、高周波領域でもスイッチング機能を実現できることだ。コンデンサとインダクタを小さくできるため、電子部品の小型軽量化が可能になる。

研究チームを指導する、電気コンピュータ工学科のJay Baliga特別教授は、「1979年からバンド幅の広いSiCを用いたパワーデバイスの開発を目指し、30年以上研究を続けてきた。SiCパワーデバイスのコストはSiの約5倍だが、我々の目標は約1.5倍まで低減することだ」と語る。そしてテキサス州の製造業X-Fabと共同し、歩留まりが高く、電気的特性のばらつきが非常に小さいプロセスを確立した。

Baliga教授は、「PRESiCEをライセンスすることで、デザインや製造プロセスの開発が不要となり、多くの企業がSiC市場に参入できるようになる。企業が独自製品の開発に集中できるということは、消費者にとっても、米国の製造業にとっても好ましい。多くの企業が参入することで製造量が増加してコストが低減する。使用量が拡大し、製造量も拡大するという好循環が生まれる」と、新たな製造プロセスに対する期待を明らかにしている。

関連リンク

New Manufacturing Process For SiC Power Devices Opens Market to More Competition

関連記事

fabcross
meitec
next
ページ上部へ戻る