理研、スパコン「京」で51個のペロブスカイト太陽電池の新材料候補を発見

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理化学研究所(理研)は2017年10月5日、スーパーコンピュータ「京」を利用し、ペロブスカイト太陽電池の新たな材料候補を発見したと発表した。今後は同研究で構築した材料ライブラリをさらに拡充し、より高効率な非鉛化ペロブスカイト太陽電池材料のシミュレーション設計が期待できるという。

近年では次世代太陽電池の有望な材料として、ペロブスカイト結晶構造を持つ有機と無機のハイブリッド材料(ハイブリッド型ハライドペロブスカイト)が注目を集めている。ハイブリッド型ハライドペロブスカイト太陽電池は優れた光学特性と電気特性を持っており、そのエネルギー変換効率は、初めてペロブスカイト太陽電池が開発された2009年の3.8%から上昇し、現在では22%を超えている。これら鉛化ペロブスカイトは低コストで容易に合成できるが、一方で鉛による毒性の問題があり、非毒性元素を用いたペロブスカイト材料の開発が求められていた。

今回の研究では、元素戦略的な観点から「二重ペロブスカイト」と呼ばれる「A2BB’X6型」の化合物を対象とした。結晶構造中の中央部分に当たるAサイトには、有機分子のMAやFA、無機原子のセシウム(Cs)の3種類の陽イオンのどれか、正八面体の頂点にあたるXサイトにはヨウ素(I)、ホウ素(Br)、塩素(Cl)の3種類のハロゲン陰イオンのいずれかが入るようにした。正八面体の中心となるB/B’サイトには、49種類の原子を網羅的に採用した。その結果、A2BB’X6型化合物の全組み合わせ数は1万1025個に上った。

これらの化合物に対し「京」を用いて、原子や分子の電子の振る舞いを経験的な情報を使わずに求める「第一原理計算」を実施し、ペロブスカイト太陽電池としてふさわしい適切な材料を探索した。得られた計算結果を材料データベースとしてライブラリ化し、いくつかの基準に基づいて材料スクリーニングをした結果、51個の低毒性元素だけからなる非鉛化材料の候補化合物を初めて発見した。さらに、この51個の候補化合物には規則性があり、6タイプに分類できるという。また、今回のスクリーニングで除外された二重ペロブスカイトの中にも、AサイトやXサイトを今回用いた原子や分子以外に置き換えることで、高効率な太陽電池材料となる可能性を持った化合物もあるとしている。

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