魚の鮮度もIoTで計測可能に? 生体適合/生分解性のあるマイクロセンサーを開発

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スイス連邦工科大学チューリッヒ校の研究者たちが、生体適合性と生分解性を備えた超薄型のマイクロ温度センサーを開発した。例えば、日本からヨーロッパへ魚を輸出するときに、今回開発したマイクロ温度センサーを魚の表面に取り付け、一定の温度以下に保って輸送した記録を残すような活用法を想定している。

研究グループは、トウモロコシとジャガイモのでんぷんから作った生分解性ポリマーに、マグネシウム、二酸化ケイ素、窒素から作ったフィラメントを封入してマイクロセンサーを形成した。マグネシウムは普段から口にする食品にも含まれる成分で、二酸化ケイ素と窒素は水の中にも微量だが含まれている。

センサーの厚さは、人の髪の毛よりも薄い16μmほど。長さは2~3mmで、重量は数分の1mgだ。1%の生理食塩水に浸すと67日間で分解されるが、水の中でも1日以上は機能し続けることを確認した。厚みを増やせば、マイクロセンサーの寿命を比較的簡単に延ばせるという。さらに、本来の形状から10%ほど引っ張られることがあっても、機能が失われることはない。

センサーの電力源として、研究グループは外付けのマイクロバッテリーを用意。生分解性のある亜鉛ケーブルを使い、センサーと接続して運用する。またマイクロバッテリーと合わせてBluetoothの機能を備えたチップを置き、10~20m以内にあるコンピュータへ温度データを送信する使い方を想定している。

現状では、生分解性のあるマイクロセンサーを製造するには、時間がかなりかかりコストもかさんでしまう。しかし、同研究グループは電子回路を印刷する技術が発展してきていることから、そう遠くないうちに実用化できるようになるのではないかと見込んでいる。

研究グループのGiovanni Salvatore氏は、5~10年以内にこうした生分解性マイクロセンサーが日常生活の中で使われるようになると予測。バッテリーやプロセッサ、トランスミッターなども恐らく生分解性を備えたものが実用化されて、マイクロセンサーと統合されるのではないかとの展望を示した。ただ、人体や環境への影響を心配せずに利用できる部品が現実のものになるには、さらに多くの研究が必要になるとも語っている。

そこで同研究グループは、マイクロセンサーへ電力を送る生体適合性のある電力源の研究に着手したという。

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