凸版印刷、空気に触れるだけで有害物質を分解し細菌や悪臭を予防する機能性シートを開発

空気触媒シート(左)と、ダイアン・サービスの空気触媒エアコンフィルター「AIR QUEST」のイメージ(右)

凸版印刷は2017年11月20日、空気中の酸素や水分と反応して有害物質を分解する液剤である空気触媒を活用し、細菌や悪臭を予防する新しい機能性シートを開発したと発表した。繊維資材や建装材向けに、同11月22日から販売を開始する。

同製品は、同社の持つコーティング技術を活用して、これまで困難とされてきた不織布への空気触媒の均一塗布を実現し開発した、高い抗菌性、防カビ性、防臭性を持つ機能性シート。第三者試験機関で不織布の抗菌性試験と消臭性試験を実施したところ、アンモニア臭気ガスに対する消臭力が2時間で99%以上、黄色ぶどう球菌に対する抗菌力が18時間で99%以上と高い効果を示したという。

空気触媒は常温で溶けたり蒸発したりしないため、空気がある限り効果が持続する。薬剤などを使用することなく有害物質を分解できるため、安全な使用が可能だ。即効性に優れた一般的な抗菌剤や消臭剤と異なり、持続性に優れるため、細菌などの増殖を抑え、細菌の増殖で発生する臭いも防止できる。

近年、臭いや細菌など環境衛生への関心が高まり、今後、宿泊施設でのタバコの匂い、介護の現場での衛生維持など、環境衛生商品やサービスへのニーズはさらに拡大が見込まれる。その中で、従来の消臭剤や除菌剤は、発生のつど一時的に対処する仕組みが一般的で、効果の持続性が短いことが課題であったという。

同製品は、まずダイアン・サービスが販売を開始する空気触媒エアコンフィルター「AIR QUEST」に採用される。今後、繊維資材や建装材分野などで拡販し、2020年度に関連受注を含め約5億円の売り上げを目指すとしている。

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