小糸製作所など、優れた耐久・発光性能を持つ「ナノコンポジット蛍光体」を開発

ナノコンポジット蛍光体断面SEM像(左)と電子線発光像(右)

小糸製作所、東京工業大学、名古屋大学は2017年11月22日、優れた耐久性と高い発光性能を持つ「ナノコンポジット蛍光体」の開発に成功したと発表した。

白色LEDや蛍光灯などの蛍光体は、希土類イオンを微量添加した酸化物や窒化物化合物の単一組成の無機粉末で構成されている。一方、ハロゲン化物とカルコゲン化物からも蛍光体が作製できるが、耐久性の懸念から、機能材料としては検討されていなかった。

研究グループは今回、ヨウ化カルシウムに希土類のユーロピウムを添加したナノ単結晶を、結晶性シリカ(クリストバライト)内に埋め込んだナノコンポジット蛍光体を合成。実用耐久の付与に成功した。ナノコンポジット蛍光体は、85℃の高温かつ85%の高湿下で2000時間さらした後でも、発光強度の低下は、わずか2%だった。また、従来の蛍光体に比べて2.7倍の強い青色発光が得られ、さらには、自己組織化により簡便な固相法で合成できる。

研究グループは今後、新たな発光材料の開発を展開するとし、また、蛍光体だけに留まらないさまざまな機能材料探索へも応用が期待できるとしている。

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