MIT、マッハ0.7で飛行するロケットドローンを制作

マサチューセッツ工科大学は2017年8月16日、時速550マイル(約880km)のスピードに達するドローンを開発したと発表した。このドローンはMITリンカーン研究所とアメリカ空軍の共同プロジェクトで、同大宇宙航空学科博士課程Tony Tao氏ら3人が中心に進めている。

「Firefly」と名付けられたこのドローンは、一般的な電気モーターではなく小型ロケットエンジンで飛行する。目的地まで飛行機に搭載して運び、空中で放出後に翼を展開。データ収集や敵機に対するデコイとして利用することを想定している。

Fireflyが搭載するスケールダウンされたロケットエンジンの特徴は、通常よりも燃焼速度を遅くしたことだ。Tao氏によると、通常このサイズのモデルロケットは2~3秒で燃焼してしまうが、Firflyのエンジンは化学分解を利用した燃焼速度抑制剤を使用することで、ロケットエンジンによる飛行速度を維持しながら3分間の燃焼時間を実現しているという。同氏は「火の中に消火器を入れたようなものです」と説明する。

Tao氏は2.3~11kgの重さの幅のある3種類の機体を作製したが、この設計には同学科のWarren Hoburg教授が開発したデザインをパーツごとに最適化するオープンソフトウェア「GPkit」を使用した。これは数百の機体の搬送能力と航続距離など多くのパラメーターを組み込んで部品を設計するもので、Tao氏はGPkitの利用によって設計時間と材料を50%削減できたという。Tao氏は需要に応じて航空機部品を製造するAAM( adaptable aircraft manufacturing)の研究の一環として、この研究を進めている。

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