東工大、アルミニウム超原子の液相中での合成に成功

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アルミニウム超原子の電子状態は2P軌道に5つの電子を有しており、この電子状態がハロゲンの電子状態と同様になる。

東京工業大学は2017年12月13日、同大学の山元公寿教授らの研究グループが、13個のアルミニウム原子で構成される「超原子」(Al13−)の溶液中での合成に成功したと発表した。貴金属やレアメタルを代替できる超原子の合成への可能性をひらく技術だ。

超原子は、構成する元素とは異なる、別の元素に相当する電子状態を有するクラスター。構成する元素の種類や組成により変化し、構造をデザインして周期律に従った元素の性質を模倣できるため、元素を代替できる手法として注目されている。Al13−クラスターは最も有名な超原子の例で、ハロゲンに似た性質が発現されるとされてきた。しかし、これら超原子は、理論計算や気相での極微量合成は行われていたが、溶液中で扱える液相法による合成はできていなかった。

今回山元教授らは、デンドリマーとよばれる精密樹状高分子を用いて原子数を規定することで、Al13−の溶液中での合成に成功した。このデンドリマーにはアルミニウム塩が配位できるイミン部位(炭素と窒素の二重結合からなる化学結合部位)を配置しており、13個のアルミニウム原子の精密な集積を可能にした。この精密集積を利用してAl13−の液相合成を達成した。

Al13−は他の個数のクラスターとは異なる特異な電子状態を有しており、その高い安定性が予測されていた。今回の研究で合成したAl13−は実際に酸素に対する高い安定性を示し、その超原子特性を確認した。

ピリジンコアデンドリマーを鋳型としたアルミニウム塩の精密集積と超原子の合成。マススペクトルとXPS測定による結合エネルギー

今回の成果により、これまで気相中でしか得ることのできなかった超原子が、液相で大量に合成できることが示された。同研究グループは、この超原子の液相構築は様々な超原子の合成に利用でき、機能発現が予測されている超原子に展開することで、希土類や貴金属など希少元素の代替が期待できるとしている。

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