東大とNIMS、液体中の原子1つ1つの連続的な可視化に成功

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東京大学と物質・材料研究機構(NIMS)は2017年12月15日、液体中の原子1つ1つを可視化することで、不均一に運動している原子の様子を観察したと発表した。

液体は、巨視的には均質にみえるが、原子・分子ごとに、また同じ原子・分子でも時間ごとに、とりまく環境が異なる。そのため、液体の特性を理解するためには、この原子・分子1つ1つの挙動を把握する必要がある。しかし、液体中の原子は、長距離の秩序構造をもたず、また運動性が高いことから、原子レベルでは理解が遅れていた。

研究グループは今回、室温で液体として存在するイオン液体を溶媒とし、金イオンを溶質として溶かした溶液を作製。電子顕微鏡を用いて原子の動きを観察した。またこのとき、原子位置が輝点として観察される環状暗視野法という手法を利用。液体中の金イオン1つ1つを可視化することに成功した。

それを連続撮影した結果、金イオンがある時間では大きく移動し、ある時間では小さな領域に滞在するという不均一な運動をしていることを観察。また、金イオンが5角形の分子に囲まれた小さな領域(ケージ)に滞在したり、そこからジャンプして大きく移動するケージ・ジャンプ機構を捉えることにも成功した。金イオンの軌跡から、金イオンの拡散係数と、その活性化エネルギーを見積もることにも成功している。

研究グループは、この研究を発展させることで、液体内部で生じる現象の理解が深まり、高性能な電池や溶媒の開発に貢献できるとしている。

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