東大と理研、トポロジカル母物質に相当するトポロジカル半金属の薄膜作製に成功

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東京大学と理化学研究所は2017年12月22日、トポロジカル母物質にあたるトポロジカル半金属Cd3As2で高品質薄膜を作製し、非散逸な量子伝導を観測したと発表した。

エネルギー損失のない電子の非散逸な伝導は、低消費電力エレクトロニクスへの応用が期待されている。非散逸伝導を示す物質として、トポロジカル物質が挙げられ、そこでの非散逸な量子伝導を応用するため、材料開発が進められている。中でも、トポロジカル半金属は、トポロジカル物質の母物質に相当し、外部刺激によりさまざまなトポロジカル状態間を移動する性質がある。しかし、トポロジカル半金属は薄膜化が難しく、その量子伝導の研究は進んでいなかった。

研究グループは今回、トポロジカル半金属Cd3As2がパルスレーザー堆積法により組成を保ったまま蒸着可能であることに着目。高温で結晶化できる独自のアニール手法を組み合わせることで高い結晶性・純度をもつ薄膜の作製に成功した。また、強い磁場中の電気抵抗を測定して非散逸な量子ホール状態を観測。トポロジカル状態が二次元トポロジカル絶縁体から二次元バンド絶縁体へと、薄膜の厚みに依存して変化するトポロジカル相転移現象を実証した。

Cd3As2の電子構造と次元性の変化によるトポロジカル相転移の例

今後は、高品質なトポロジカル半金属薄膜を基盤として、多彩なトポロジカル状態へのトポロジカル相転移現象を引き起こすことが可能になると説明。それにより、トポロジカル相転移の解明と非散逸伝導の制御のさらなる進展が期待されるとしている。

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