ニッチ分野のエンジニアが大手に転職! 適正に評価されるために必要な2+1つのこと[クルマ技術の今]

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~ 自動車業界の技術トレンドを各分野から見る ~

本記事は、エンジニア専門の人材紹介会社メイテックネクストのキャリアコンサルタント・陣内 健志氏への取材記事です。自動車業界の技術トレンドについて、機械系・電気系・ソフトウェア系・化学系といった専門分野別に考え、エンジニア市場の変化、求められるマインド・専門性などのエンジニアのキャリア形成に役立つ情報を発信していきます。

前回まで3回にわたって、自動車業界で機械系エンジニアが必要とされている技術分野について取り上げてきました。さまざまな分野で機械系エンジニアが求められるようになってきている中で、自身の強み・専門性を正当に評価してもらうため、機械系エンジニアはどのような意識を日ごろから持っておくべきでしょうか。陣内氏に話を聞きました。


――「EVシフト」が進んでも、機械系エンジニアの採用は逆に増えていて、モーターや電池まわりでも機械系エンジニアが足りていないというお話をここまでに伺いました。
それだけ多くの選択肢が用意されている中で、自動車業界で働く、あるいは自動車業界へのキャリアチェンジを考えている機械系エンジニアは、普段からどのような意識を持っておくべきでしょうか。

[メイテックネクスト 陣内健志氏]まずは「自分の専門としている要素技術は何か」としっかり把握しておくことでしょう。

さらに「専門としている」だけではなくて、「強みとしている」要素技術まで把握しておくとなお良いと思います。業務を通じて苦労してでも「他のエンジニアが実現できていない」領域にまで自分の技術を研ぎ澄ませてきた機械系エンジニアは、市場から高く評価されます。

例えば、ある中堅のランプメーカーで働くエンジニアから、「大手メーカーに転職したい」と相談を受けたことがあります。

正直なところ、ランプ開発に携わる求人はそれほど多くありません。最初は「ランプの設計に携わるエンジニア」と聞いて、転職サポートが上手くいくか、先行きが不透明だと感じました。

けれど、その方は「自分の専門は光学設計」というところにとどまらず、「光学の中のこの技術を強みとしている」というところまで、ご自身ではっきり認識していらっしゃいました。

「そこに強みがあるのなら、車載ディスプレイのここに使う製品と親和性があるのではないか」と話が進み、具体的に募集中の求人情報を調べてみたところ、その方の強みを発揮できそうな仕事が見つかりました。

転職希望者として紹介してみたところ、無事に選考を通過。ご本人の希望どおり、ある大手メーカーへの転職が決まったのです。

自分が「どうしたい」「どうなりたい」のか。将来の展望を描けることも大切

――自身が強みとしている要素技術を把握しておくこと。それ以外に、心掛けておくべきことはありますか?

[陣内氏]その「強みとしている」要素技術を使って、自分が「どうしたい」「どうなりたい」という気持ち・動機を自覚していることでしょう。

今の職場で自分のモチベーションは満たされているのだろうか。転職したとして、今以上に活躍できる職場なのだろうか。要素技術だけでなく、自分の気持ちのところまで満たされる仕事はどんなものかと考えておくことです。

あともう1つ、ニュースなどで世の中の動向をチェックしておいて、「自分の強みとする技術・経験は、こんなところに生かせるかもしれない」といった展望を描けるエンジニアも強いです。

最近、転職を成功されたエンジニアの中に、自動車関連のメーカーで製品の評価に携わっていた方がいらっしゃいました。「今の会社の品質を重視する姿勢が不十分で、自分としては納得できない」という動機から、転職を考えたいとご相談いただいたのです。

普通なら、「同業他社の評価の仕事に転職したい」と考えるエンジニアが多いのですが、その方は違いました。「ニュースを見ていると、社会的にもこれだけリコールが問題になっている。品質に対する要求はさらに厳しくなっていくだろうから、自分は解析ツールのソフトベンダーに転職して、ツールを利用するメーカー側のエンジニアとして培った技術・経験を生かしたい」と希望されたのです。

どこかのメーカーで評価の仕事に携わるよりも、多くのメーカーで使われている解析ツールの開発に携わることで品質を向上させてリコールを減らしていきたい。逆転の発想で、自身のモチベーションを満たせる仕事、将来性も有望な仕事と出会うことができたわけです。

このように、「強みとしている」要素技術を把握しておくこと。そして、自分が「どうしたい」「どうなりたい」という気持ち・動機を自覚していること。その2つに加えて、将来の展望を描いて自身の技術・経験の生かし方まで考えられるようになれば、エンジニアとしての価値をより高く評価してもらえるようになるはずです。


陣内 健志(メイテックネクスト 機械・メカトロ分野 コンサルタント)

約6年間、自動車部品メーカーにて生産技術職を担当し、主に国内及び海外向けの生産設備の立上に従事。ものづくりの大変さと面白さを学び、その経験を活かしてエンジニア目線でのキャリアサポートをしたいと考え、現職に至る。


取材協力先

メイテックネクスト
メイテックネクスト分野別コンサルタント

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