磁気光学効果の新たな起源を解明――東大と理研など、反強磁性金属での磁気光学カー効果を観測

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磁気光学カー効果の概念図

東京大学と理化学研究所(理研)は2018年1月27日、 米国の研究グループと協力し、室温において磁気光学カー効果を示す反強磁性金属の開発に成功したと発表した。

磁気光学カー効果は、磁性体に直線偏光した光を当てた際に、磁性体の磁化の向きに応じて反射光の偏光面が回転する現象だ。この効果は物質表面で起こる現象のため、磁化測定が困難な薄膜形状の強磁性金属での磁気特性評価に適し、熱電変換素子やスピントロニクスデバイスの研究に広く用いられている。一方、反強磁性体では、磁化の総和がゼロ、もしくは非常に小さい値であるため、強磁性体で用いられている手法では、光・熱・電気などの応答の検出・制御は困難で、磁気光学効果は報告されていなかった。

研究グループは今回、クラスター磁気八極子というスピン秩序構造を持つ反強磁性金属Mn3Snを開発。自発的に現れる磁気光学カー効果の室温での検出と制御に成功した。また、磁気光学カー効果の起源が、磁気八極子によるものであることを解明。それを示す、カー回転角の正負の符号の反転に伴った反強磁性ドメインの変化をイメージングすることにも成功した。

この発見により、反強磁性ドメインの非破壊・非接触な直接観察手法が確立されたとし、熱電変換素子や磁気デバイス開発の急速な進展が期待されると説明。今後は、THz帯の光を用いた磁気光学効果の測定をはじめ、反強磁性金属にとどまらない広範な物質群での新規な磁気光学現象や応用デバイスの提案をしていく予定だ。

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