メガネが不要になる目薬――屈折率を補正する目薬「Nanodrops(ナノドロップス)」

イスラエルのバル・イラン大学のDavid Smadja 博士は、エルサレムメディカルセンターで開かれた研究デーにおいて、近視や遠視を調整する目薬「Nanodrops(ナノドロップス)」を発表し、眼鏡が不要になるかもしれないと話題を呼んでいる。研究成果は論文「Nanodrops for restoring refractive errors」として2017年10月にリスボンで開催されたESCRS(European Society of Cataract & Refractive Surgeons:欧州白内障屈折手術学会議)において、ポスター発表されている。

Nanodropsは、屈折誤差を補正するための特定の光学的特性を有するナノ粒子を含有する目薬だ。ブタを使った実験では、異なる濃度の合成ナノ粒子を含む目薬を点眼し、その前後で角膜内部の屈折変化、角膜屈折率、および角膜形状の変化を電子顕微鏡検査で観測した。

その結果、近視矯正試験では2.24±0.07Dの平均補正を達成し、遠視矯正でも1.96±0.2Dの補正を達成する結果が得られた。角膜中央部の測定では統計的に有意な形状変化は観察されなかったが、角膜表面から深さ60μmまでの部分に平均直径0.58nmのカプセル化された超反射性ナノ粒子が観察されたとしている。

Smadja博士は、合成ナノ粒子を含むNanodropsは非侵襲的に視力矯正できる革命的な治療方法だとし、ヒトの視力改善に効果があれば、眼鏡やコンタクトレンズが不要になると語っている。Smadja博士は、2018年中にNanodropsのヒトへの臨床試験を予定しているという。

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Nanodrops for restoring refractive errors

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