テラビット級の高速動作が1素子で可能な半導体レーザー――九大が超高速「モード選択」光源を開発

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モード選択光源の素子写真。レーザー光の干渉現象が内部(写真中央付近)で生じる新しい半導体レーザー

九州大学は2018年3月12日、同大学の浜本貴一教授の研究グループが、超高速「モード選択」光源を開発したと発表した。テラビット級の高速動作が1素子で可能な半導体レーザーで、IT機器内の配線速度の飛躍的向上につながるという。

スーパーコンピューターなどの情報処理装置内の配線速度は年々高速化しており、近い将来には毎秒1テラビットを超える超高速の配線速度が必要になると予想されている。これを実現させる技術として、半導体レーザー光とその配線である光導波路を用いた光配線技術が注目を集めている。

しかし、従来の半導体レーザーでは直接変調速度が毎秒50ギガと遅かったために、発振波長の異なる半導体レーザー光を複数個集積して並行信号を処理する必要があった。そのため複数の半導体レーザーや光集積回路などが必要になり、集積回路の規模が大きくなるという課題があった。

今回の研究では、単一の半導体レーザーでありながら固有の光の様態である空間モードを自由に選択発振でき、かつそれぞれの空間モードを超高速で変調できるレーザー光源を開発した。このレーザー半導体は、浜本教授が以前に発見したアクティブMMI(能動光多モード)現象を適用して光の干渉効果を利用することで、単一の半導体レーザーで複数の空間モードを選択的に発振できる。

さらに、このアクティブMMI現象を利用することで、複数の光干渉経路によって生じるフォトンフォトン共振を複数発生させることができる。これにより、100GHz以上の周波数応答特性が期待できるという。10以上の異なる空間モードを100GHz以上の周波数応答で動作できれば、将来的にはテラビット超級の光源が実現できる。今回の発表では、2つの空間モードそれぞれに対して、40GHz以上の周波数応答特性を持つモード選択光源を実現した。

今回の開発により、半導体レーザー1素子のみで従来の光配線速度の10倍以上に当たるテラビット超級の高速動作が可能になるという。さらに、スーパーコンピューターだけではなく、パソコンやスマートフォンなどの小型IT機器への適用も期待できるとしている。

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