ウエハーレベル品質の太陽電池用Si薄膜を従来の10倍以上の成長速度で作製 東工大と早大

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東京工業大学(東工大)は2018年3月12日、早稲田大学と共同で、結晶欠陥密度をシリコン(Si)ウエハーレベルにまで低減した太陽電池用の単結晶Si薄膜の作成に成功したと発表した。

単結晶Si太陽電池は、薄型化することで原料コストを低減できたり、フレキシブルかつ軽量化により利用用途の拡大や設置コスト低減などが期待できる。また、ナノメートルサイズの多数の細孔を持つポーラスシリコンを用いたリフトオフ(剥離)による単結晶Si薄膜太陽電池は、将来競争力を持つとして注目されている。

しかしリフトオフによる単結晶Si太陽電池には、高品質なSi薄膜を形成したり、装置コストを低減させるために成長速度とSi原料収率を向上させたり、またリフトオフ後の基板を無駄なく利用することなどに対する課題があった。

今回の研究では、単結晶ウエハーの表面に電気化学的手法で2層のナノオーダーのポーラスシリコンを作製。独自のゾーンヒーティング再結晶化法(ZHR法)で表面荒さ0.2~0.3nmまで平滑化した基板を使って高速成長させ、高品質の薄膜単結晶を得ることに成功した。成長速度は従来の10倍以上、結晶欠陥密度はシリコンウエハーレベルにまで低減させた。原理的に原料収率を100%近くにできるために、製造コストの大幅な低減も期待できる。

成長膜は2層のポーラスSi層を使って容易に剥離できる。下地のSi基板は再利用または薄膜成長用の蒸発源として利用できるため、原料損失を大幅な低減が可能だ。

今回の研究によって、単結晶Si太陽電池の発電効率を維持したまま、製造コストを大幅に低減できる。今後はより太陽電池の性能に影響が大きい薄膜のキャリアライフタイムの測定や、実際に太陽電池を作製して、技術の実用化などを目指す。

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