「4℃で密度最大」「結晶化で体積膨張」――水はなぜ特異的なのか、東大が物理的な起源を解明

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負圧で形成される水型液体のクラスレート(Si34)構造

東京大学は2018年3月27日、正四面体構造を形成する傾向のあるさまざまな液体の中でも、水が極めて特異的である物理的な起源を解明したのに加えて、温度・圧力相図と特異性の関係も明らかにすることに成功したと発表した。

この発見は、同大学生産技術研究所の田中肇教授らの研究グループによるもの。長年の未解明問題であった水の異常性の起源に迫るだけでなく、水の特異性が重要な意味を持つ生命現象や地球科学などにも波及すると期待されている。

水には「4℃で密度が最大になる」「結晶化の際に体積が膨張する」など、他の液体にない極めて特異な性質がある。気象現象や地球物理現象、生命現象などにも大きなインパクトを与えている。このような異常な挙動は水だけでなく、シリコン、ゲルマニウム、炭素など、局所的に安定な正四面体構造を形成する傾向を持つ液体に共通してみられるものだ。

同グループは、正四面体構造を形成する傾向の強さを系統的に変えるシミュレーションを実施。得られたさまざまな特異性と同グループが以前提案した理論モデルによる予測を比較することで、局所的に安定な構造の形成がこれらすべての異常性を引き起こすことを明らかにした。

さらにその比較をもとにして、特異性を支配する物理因子を特定。水が他の液体と比べても特異性が際立っている起源を物理的に解明した。加えて、温度・圧力相図と特異性の関係を捉えることにも成功した。

これまで、水素結合や共有結合などの方向性の結合が局所的な正四面体的構造を形成することで特異性が発生することは知られていた。しかし、温度・圧力相図の形と特異性の間の関係については、ほとんど知られていなかった。

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