5年後、技術者が不足する分野は?――経産省、理工系人材の需給状況に関するアンケート調査の概要を発表

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経済産業省は2018年4月20日、理工系人材の需給状況について、企業、社会人を対象に実施したアンケート調査結果の概要を発表した。産業界が求める人材と大学から輩出される人材の需給ギャップ解消を図る目的で実施された調査で、社会人を対象とするアンケート(回答約3000サンプル)と、企業を対象とするアンケート(全業種の1万社対象、回答数1702件)によるものだ。

社会人アンケートの調査概要によると、「現在の業務で必要とする分野と大学で学んだ分野」を尋ねたところ、技術系職種では、機械工学(設計、エンジン、材料、流体等)、ハード・ソフト(OS、アプリ)/プログラム系、通信/ネットワーク/セキュリティ系、データベース/検索系の各分野で、業務で必要だとする割合が大学で学んだとする割合を大きく上回っており、企業のニーズが高いことがわかった。一方、非技術系職種では、機械工学、ハード・ソフトに加え、経営/生産/サービス/金融工学及びリスクマネージメント、会計/簿記、マーケティングの分野で企業のニーズが高い。

また「学び直したい分野」を尋ねたところ、技術系/非技術系ともに概ね企業のニーズと一致しているが、自動車工学や人工知能などでは企業のニーズを上回っていた。

これを業種ごとにみると、まず機械系では、専門知識となる機械工学(設計、エンジン、材料、流体等)は、企業が必要とする割合が41.8%に対し、大学で学んだとする割合は29.9%と、企業のニーズが他分野より著しく高い。学び直しのニーズは、自動車工学や電力などで企業ニーズを上回っている。

続いて電気系業種では、電力/アナログ・デジタル回路、電子デバイス系のほか、機械工学、ハード・ソフト、ネットワーク、データなどで企業ニーズが高くなっている。学び直しのニーズは、機械学習、統計などの分野で企業ニーズを上回っている。

材料系業種では、有機/複合材料、鉄/アルミ/チタン等、材料の分析・設計・加工/めっき・腐食防食のほか、機械工学で企業のニーズが高くなっている。学び直しのニーズは、自動車工学や電子デバイス系、人工知能などで企業ニーズを上回っている。

化学系業種では、化学工学/プロセス工学のほか、機械工学、経営、会計/簿記、マーケティング、薬理などで企業のニーズが高い。学び直しのニーズは、自動車工学や電力、電子デバイス系、計測、ハード・ソフトなどで企業ニーズを上回っている。

情報系業種では、ハード・ソフト/プログラム系、通信/ネットワーク/セキュリティ系、データベース/検索系、統計/オペレーションリサーチ/高性能計算系、WEBコンピューティングではいずれも企業ニーズが高い。学び直しのニーズは、人工知能等で企業ニーズを上回って高くなっている。

さらに「学び直しの有効な方法」を尋ねたところ、「自社内での研修」が19%、「外部教育機関(大学を除く、研修機関/専門学校等)での学習」が16%、「インターネットなどを利用したオンライン講座の履修」が15%等となった。オンライン講座のメリットとしては「時間の自由が利く」、「通勤中スマホやタブレットでも見られる」など、デメリットには「実践的なスキル習得ができない」「どこのオンライン講座が良質なのか判断がつかない」などが挙げられている。

一方、企業アンケートの調査概要によると、平成29年度の採用予定人数と採用実績人数の比較では、全体的に採用実績が予定を下回り、全体で6.8%の減、特に機械工学、電力、土木工学、ハード・ソフト/プログラム系、食品科学は予定通り採用できていない。平成29年度の採用予定人数と平成31年度の採用希望人数の比較では、全体で採用希望人数が7.7%減少している。その中で割合が大きく増えているのは、人工知能(125.0%増)、統計/オペレーションリサーチ(90.9%増)、WEBコンピューティング(84.7%増)、数学(69.2%増)などだ。

さらに、「5年後技術者が不足すると予想される分野」として1~3位を尋ねた結果では、合計で多かったのは、機械工学(12.4%)、電力(7.5%)、通信/ネットワーク(5.8%)、ハード・ソフト/プログラム系(5.7%)、土木工学(5.5%)となった。

また「5年後技術者が不足する理由」では、「他社が当該分野の採用数を増やしている」が53.4%でもっとも多く、「業界や自社に対する学生認知が低く、応募が集まらない」が43.2%で続く。

「産学連携の取組と課題」については、約7割が取り組んでおり、今後取り組みたいものとしては「1週間程度のインターンシップ受入」、「共同研究」、「学生を対象とした1日程度のセミナー実施」が多い。「1カ月以上の中長期インターンシップ受入」は、今後実施したい取り組みでは12.7%だが、現状の実施状況は7.4%にとどまり、差が大きい。

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