空中に浮かぶような映像を演出――輝度と透明度を向上させた透明スクリーンを開発 大日本印刷

従来の透明スクリーン(左)、新発売の透明スクリーン(右)

大日本印刷は2018年5月9日、従来製品より輝度と透明度を大きく向上させ、明るい場所でも空中に鮮やかな映像が浮かび上がるような演出ができる、フロントプロジェクター用透明スクリーンを開発したと発表した。

同社が従来提供している透明スクリーンは、透明フィルム上に光を透過する部分と拡散する部分を交互に配置し、そのフィルムを透明なガラスやアクリル板に貼ることで、背景が見える状態で、プロジェクターの映像を空中に浮いているように表示できる。この透明スクリーンで映像をよりクリアで鮮やかに表示するためには、光を拡散する部分を増やす必要があるが、拡散部分を増やすと透明性が損なわれるという課題があった。

今回同社では、独自開発した特殊な光学レンズをスクリーンに用いて透明性を向上させるとともに、効率よく視聴者側に光を向ける技術を開発。明るい場所でもより鮮明に空中に映像が浮かび上がるような演出を可能にした。これにより、照明の位置などを気にせず、より自由に設置場所を選択できる。

透明性が大きく向上したため、店舗のショッピングウィンドウやショールーム、工場の見学通路、イベント会場や車載用途などさまざまな場所に設置して効果的なプロモーションなどを行うことができる。

市販の各種短焦点プロジェクターに対応しており、基本の画面サイズは40インチと80インチの2種類。タイリングによる大型化も可能だ。ヘイズ(フィルムの濁度)は従来品が16.5%に対し今回の製品は0.9%、輝度は従来品が600cd/m2に対し今回の製品は700cd/m2となっている。

今後同社では、公共施設や店舗、企業のショールーム、イベント会場などでの利用向けに同製品を販売するとともに、空間デザインや映像の作成/配信などを組み合わせたソリューションとして、さまざまなサービスを提供する。2021年度に年間売上7億円を目指す。

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