超音波で神経パルスを送り込む――ワイヤレス末梢神経刺激システム「StimDust」

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カリフォルニア大学バークレー校の電子工学科およびコンピューター科学科のRikky Muller准教授らのグループが2018年4月10日、砂粒ほどのサイズのワイヤレス末梢神経刺激システム「StimDust」を開発したと発表した。体内に埋め込み、外部から超音波で制御できるデバイスで、Muller准教授によれば「StimDustは、これまでで最も小さい深部組織刺激システムで、末梢神経系の主要な治療標的のほとんど全てを刺激することができる」という。研究成果はサンディエゴで開催された「IEEE Custom Integrated Circuits 会議」にて発表されている。

StimDustは、2016年にMichel Maharbiz 教授が発表した神経刺激システム「Neural Dust」のアーキテクチャをベースとしている。StimDustはそのサイズや安全性を犠牲にすること無く、より優れたエレクトロニクスを搭載し、応用の可能性を広げたものだ。StimDustは体積約6.5立方mm、重量10mgと砂粒ほどの大きさで、現存する同種のデバイスの中でも、最も侵襲性の少ない方法によって患者の体内に埋め込みできるという。

Muller准教授のチームは、特に脳や末梢神経系との双方向インターフェースを実現するため、神経を包むカフを通してデータ記録や通信ができる高効率の神経システムを作り出した。StimDustは、単結晶の圧電アンテナ、わずか1mmのカスタムICとコンデンサから構成され、同様の機能を備えたデバイスよりも大幅な小型化を実現した。待機消費電力は4μWで、外部のトランスデューサからの超音波を圧電素子で受信し、電力供給と通信を実現している。

マウスを使ったStimDustの実験では、坐骨神経の周りのカフを通して後肢の動きの制御、そして刺激活動を記録し、後肢の筋肉への刺激と後肢の筋肉反応をマッピングして、筋動員に必要な刺激量を正確に測定した。

研究チームは、リアルタイムで疾患(不整脈や慢性疼痛、喘息、てんかんなど)のモニターや治療の実現を目標とし、StimDustを通して神経システムを双方向に繋げ、疾患からの信号を理解し、系統だった治療の実現を目指している。

関連リンク

news.berkeley.edu/2018/04/10/berkeley-engineers-build-smallest-volume-most-efficient-wireless-nerve-stimulator/

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