米Workhorseは2018年5月3日、最大2人乗りの電動ハイブリッドヘリコプター「SureFly」が繋留なしの初飛行に成功したと発表した。パイロットを乗せたまま、10秒間前後、1mほど浮上し続けた様子がYouTubeで公開されている。
SureFlyは発電用ガソリンエンジンとリチウムバッテリーのハイブリッドで駆動する垂直離着陸機(VTOL)。4本のアームにそれぞれ逆回転する2枚のプロペラが付いている。機体とプロペラはカーボンファイバー製で軽量化を図り、アームは駐機時に折りたためる。モーターはプロペラごとに独立しているため、1つのモーターが壊れても着陸可能。発電用ガソリンエンジンが故障した場合は、リチウムバッテリーでモーターが5分間駆動し、万一の場合も安全に着陸できるようにパラシュートも備えている。
最高速度は約112km/h、最高高度は約1200m。機体重量は約500kgで、最大離陸重量は約680kgとなることから、約180kgまで乗員と貨物を乗せることができる。
1度の給油で約1時間の飛行が可能で、想定航続距離は約112km。渋滞の回避だけでなく、農業、緊急時の対応、軍事、エアタクシーなどの利用を想定している。
同社によると、このタイプの機種でアメリカ連邦航空局(FAA)の試験飛行許可を得ている企業は他にないという。
SureFlyを操縦したパイロットは、操縦にはドローンと同様にジョイスティックを使い、操縦しやすいと話す。Vertical Magazineなどの海外メディアが伝えるところによると、2020年までに実用化を目指し、将来的には自動操縦を実現する構想だ。
販売価格としては20万ドル(約2200万円)を下回ることを目標としている。