マイクロバブル利用し超高エネルギーの粒子を放射――阪大、新たな粒子加速機構を発見

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「マイクロバブル爆縮」の概念図

大阪大学は2018年5月15日、ミクロンサイズのバブル(球状の空洞)を内包する水素化合物の外側から超高強度レーザーを照射すると、バブルが原子サイズにまで収縮した瞬間に超高エネルギーの水素イオン(プロトン)が放射される「マイクロバブル爆縮」という新しい粒子加速機構を発見したと発表した。

この新しい機構では、1000億℃という超高温の電子がバブル内に充満して生じた強力なマイナスの静電気力により、正電荷を持つイオンがバブル中心に向かって球対称に加速される。球の中心という一点に無数のイオンが高速で加速し激突するため、原子数十個を直列にした程度のナノスケールの極小空間内で、固体密度の数十万〜百万倍という白色矮星内部にも匹敵する高密度圧縮が原理的に可能となる。

さらに、このバブルは数十フェムト秒(1フェムト秒は10の15乗分の1秒)の周期で収縮と膨張を繰り返し、nmサイズにまで収縮して最大圧縮に達した瞬間に高エネルギーのプロトンを放射することがわかった。これは、規則的にパルス状の電波やX線を放射する天体であるパルサーにも似た、「ナノパルサー」ともいうべき新奇な特徴だ。

この機構では、従来の加速器であれば数十mから数百mの加速距離が必要とされる高エネルギー粒子が、ナノスケールの正電荷の塊から放射される。荷電粒子であるイオンが光速の半分程度の超高速で空間の1点に収縮し激突するという、ビッグバンの真逆のような運動が決定的な役割を果たしており、これまで発見/提唱された他の加速原理とも本質的に全く異なるものだという。

今回の成果は、未解明の宇宙物理の解明に貢献するだけでなく、将来的には核融合反応によるコンパクトな中性子線源等として医療/産業への応用研究にも貢献することが期待される。

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