溶融金属の飛散量を95%以上削減――三菱電機、「火花がほとんどでないファイバーレーザー溶接技術」を開発

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三菱電機は2018年5月17日、同社の100%子会社である多田電機と共同で「火花がほとんどでないファイバーレーザー溶接技術」を開発したと発表した。ファイバーレーザー溶接の不良や溶接速度低下の原因となる、火花状態になった溶融金属の飛散量を95%以上削減し、製造現場での溶接品質と生産性の向上に貢献するという。

ファイバーレーザーは消費電力が低くビーム取り扱いが容易なことから、レーザー溶接機への採用が増加している。しかし、飛散した溶融金属により発生する接合部表面のくぼみや飛散物の固着を原因とした製品不良、飛散抑制のため溶接速度を遅くせざるを得ないことによる生産性の低下という課題があった。

今回、同社は1万件を超えるさまざまな溶接条件下で金属の溶融状況を高速度カメラで観察し、強いレーザー光の照射により金属を深く溶かしている部分の周囲に弱いレーザー光を照射すると、溶融金属の飛散を大幅に抑制できることを突き止めた。これを踏まえ、レーザー光を伝送する光ファイバーの出口に設置した集光光学系に独自の工夫を施し、強いレーザー光の周囲に弱いレーザー光を同時発生させることに成功した。その結果、10kWの高出力ファイバーレーザーを用いて従来と同一速度で溶接した場合に、溶融金属の飛散量が95%以上低減した。

従来のファイバーレーザー溶接では、一定の溶接速度を越えると溶融金属の飛散量が急激に増加する特性があったが、今回開発した技術を用いれば溶接速度を上げても溶融金属の飛散量がほぼ増加しないため、ファイバーレーザー出力の限界近くまで高速化が可能となる。厚さ4.5mmのSPHC(熱間圧延材)を使用した溶接試験では、従来比2倍の高速化を実現した。

同技術を搭載したレーザー溶接機は、2019年度中に多田電機が製品化する予定だ。

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