三井化学、エクリオスが超薄型有機太陽電池の基板に採用――次世代のウェアラブル素材への活用に期待

三井化学は2018年5月31日、同社の新規開発品である透明ポリイミド用液状材料「エクリオス」が、理化学研究所、東レ、科学技術振興機構(JST)などのメンバーで構成される国際共同研究グループが新たに開発した、超薄型有機太陽電池(以下、開発品)に採用されたと発表した。

エクリオスは、耐熱性、耐薬品性、強靭性、寸法安定性に優れた無色/透明なポリイミド用液状材料(ポリアミド酸ワニス)で、ガラス代替の耐熱基材、フレキシブル回路基板、バインダーなど、次世代エレクトロニクス関連製品への展開が期待されている。

共同研究グループによる開発品は、基板から封止膜までを合わせても厚さが3マイクロメートルと極薄でありながら、最大エネルギー変換効率10%を達成している。加えて、100℃の加熱でも素子劣化がほとんど無いという高い耐熱性を保持。さらに、大気環境中で80日保管後の性能劣化も20%以下と、安定性も備えている。エクリオスは開発品の基板層に使用されており、表面平坦性と熱安定性を向上させることで、開発品の超薄型化と耐熱性の実現に貢献している。

また、性能劣化なく布地への接着が可能で、透明性と柔軟性が保持されるという開発品の特長についても、エクリオスの機械強度やフレキシブル性が生かされたものだ。これらの点から、今後はウェアラブルデバイスや災害時の非常用電源など、さまざまな用途における電源の応用に大きな貢献が期待できるものとしている。

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