新しいリソグラフィー技術により、透明で柔軟な導電性フィルムの作成に成功

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南デンマーク大学の研究チームが、新しいリソグラフィー技術により、フレキシブルで透明な導電性フィルムを作成することに成功した。現在主流の酸化インジウムスズ(ITO)ベースの薄膜電極を超える性能を持ち、フレキシブルなタッチ・ディスプレーや、フラットパネル・テレビ、太陽電池パネル等に広く展開できる可能性がある。研究成果は、2018年7月1日発行の『Optical Materials Express』誌にて公開されている。

現在のITO薄膜による透明な電極フィルムはガラスの92%の透明性を備えるが、フレキシブルな電極として使うには脆く、また貴金属に比べて耐食性や導電性に劣る。また、カーボンナノチューブによる導電性フィルムも提案されているが、積層時に表面粗さが大きくなる問題があり、充分な導電性が得られていない。

今回研究チームは、「コロイダル・リソグラフィー」と呼ばれる手法を用いて、透明で導電性がある銀ベースの薄膜を作成した。まずプラスチックナノ粒子が稠密充填されたコロイドを、直径10cmのウェファー上に被覆することにより、マスキング層、即ちテンプレートを作成する。次に、被覆されたウェファーをプラズマ炉に装入し、全ての粒子サイズを等しく収縮させる。このマスキング層に銀の薄膜をPVDにより堆積させると、銀は粒子間の隙間に入り込む。その後、粒子を溶解して除去することにより、光を透過するナノホールを多数有する銀ベースのハニカム状ナノパターンが形成されるというものだ。

この方法により、シート電気抵抗を10Ω/sq以下に押さえながら、80%に達する透過率を持つ、銀ベースの透明電極を作成することができる。このシート抵抗は、同等の透明性を持つカーボンナノチューブフィルムの約10分の1だ。「この手法では、化学的に安定した形状を、大面積で再現性良く作成できる。更に重要なのは、フィルムの厚さを変更することで透明性と導電性のバランスを調節できることだ」と、研究チームのJes Linnet氏は語る。

このコロイダル・リソグラフィー技術は、多様な透明度と導電性バランスが必要なフレキシブルディスプレイやフラットパネル、太陽電池パネルなどに活用できると期待されている。

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Transparent, Conductive Films Promising for Developing Flexible Screens

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