九大、100%超の励起子生成効率を示す有機EL素子を開発――有機EL素子の高輝度/高強度化が実現

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九州大学と科学技術振興機構(JST)は2018年7月5日、100%以上の励起子生成効率を示す有機EL素子の開発に成功したと発表した。

ディスプレーや照明用途などの発光デバイスとして用いられている有機EL素子は、電子と正孔が有機分子上で再結合することにより生成する「励起子」のエネルギーを発光として利用する。その励起子には、スピン多重度の異なる「一重項励起子」と「三重項励起子」が存在しており、この二つの励起子をいかに利用するかが、発光の効率を向上させる鍵となっている。そして、これまでの研究では、ほぼ100%に達する励起子生成効率が実現され、これが理論限界値であるとされてきた。

しかし、研究グループは今回、一つの一重項励起子から二つの三重項励起子が生成される一重項励起子開裂(singlet fission)過程に着目。一重項励起子開裂が発生するルブレン分子をホスト材料にし、近赤外発光を示すエルビウム錯体を発光色素とした有機EL素子で、一重項励起子開裂を経由して生成された三重項励起子を、EL発光として利用できることを実証した。そして、励起子生成効率が、光励起の場合108.5%、電流励起の場合でも100.8%に達していることを明らかにした。

発光メカニズム

同手法により、従来、100%が理論限界とされてきた励起子生成効率をさらに高めることが可能になったという。そして、これにより、さらなる高輝度/高強度化が実現でき、センサー用の光源や通信用光源など、新しい用途を開拓できることが期待されるとしている。また、今後は、現状低い近赤外発光色素自身の発光効率の向上を進め、200%の励起子生成効率を示す有機EL素子の実現を目指すとしている。

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