宇宙ニュートリノの観測情報を基にした電磁波の追観測により、放射源天体の同定に成功

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国立天文台は2018年7月13日、南極のニュートリノ観測所で捉えられた宇宙ニュートリノの情報を基にした電磁波の追観測により、放射源天体を同定することに史上初めて成功したと発表した。

ニュートリノはこれまで、太陽の中心部や超新星爆発で生じたものが捉えられており、天体の理解に大きな役割を果たしてきた。ニュートリノを放射する天体現象は他にも予測されていたが、捉えることは非常に難しく、放射源がはっきりわかった天体ニュートリノは観測されていなかった。

しかし、2017年9月22日(世界時)、南極点に置かれたニュートリノ観測実験「アイスキューブ(IceCube)」により、宇宙から飛来する超高エネルギーニュートリノが捉えられた。そして、同施設のシステムにより、ニュートリノの放射源の方角が1度角ほどの精度で求められ、すぐさま世界中の天文台に伝えられた。

すばる望遠鏡も参画する電磁波対応天体追跡チーム(OISTER)は、その報を受け、ニュートリノ放射源の方角を可視光/近赤外線により観測。しかし、位置の誤差範囲は広く、放射源を特定することは困難だった。そこで同チームは、ニュートリノが生じるとされていた、超巨大ブラックホールへ物質が流入して輝く「ブレーザー」に注目。領域内のブレーザーの変動を探索した。

その結果、「TXS 0506+056」と名付けられていたブレーザーが、2日間の観測で、通常よりも3倍以上明るく、また大きく変動していることを発見。同時に、ガンマ線領域でも、同天体がずっと明るく輝いていたことがわかった。ニュートリノ検出と電磁波の変動が、同じ方向で観測される確率は非常に低いことから、これらは同じ天体が発したものだと考えられるという。

この成果は、天体を多面的な観測によって理解するマルチメッセンジャー天文学を大きく進展させるとしている。

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