北大、情報の幾何学から熱力学的な不確定性原理を発見

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研究の概念図。ある物質A、AX、ABの確率分布に対して、情報幾何により幾何学を導入。

北海道大学は2018年7月19日、「情報幾何」と「ゆらぐ系の熱力学」の間の関係を発見し、「熱力学的な不確定性原理」を理論的に導出したと発表した。

機械学習やニューラルネットワークなどのコンピューティング技術の基礎理論として、情報幾何と呼ばれる情報理論の幾何学的な手法が注目を集めている。一方、生体内の情報処理は、確率的にゆらぎうる化学反応によって伝達されており、その理解のため、熱力学と情報理論の融合理論「情報熱力学」や、その基礎理論であるゆらぐ系の熱力学の研究が盛んに行われている。

このような状況の中、研究グループは情報幾何の幾何学量が、ゆらぐ系の熱力学における熱力学量によって表現できることを理論的に導出。そして、情報幾何の幾何学的な不等式をゆらぐ系の熱力学の言葉で解釈することで、生体内の化学反応などに適用できる熱力学的な不確定性原理の導出に成功した。同原理は「状態間の遷移のスピードを上げるためには、十分な熱コストが必要になる」という法則を表し、生体内での化学反応などで一般的に成り立つという。

また、同結果は量子力学の不確定性原理の一種である「量子速度限界」と同種のものであり、その非量子的な熱力学バージョンであるという。

研究グループは今後、同手法により生体内の情報処理の普遍的な法則/原理が発見されることが期待されるとしている。また、情報幾何の応用が進んでいる機械学習やニューラルネットワークの分野の概念が、生物の情報処理に応用されることが期待できるとしている。

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