ボルグワーナー、HEV、PHEV用の排熱回収システムを開発――排ガスの熱を利用し燃費を8.5%改善

開発したEHRS

米ボルグワーナーは2018年7月31日、北米の大手自動車メーカー製の自動車向けに、ハイブリッド車(HEV)用およびプラグインハイブリッド車(PHEV)用に開発した排熱回収システム(EHRS)の生産を、今年から開始すると発表した。

一般に、コールドスタートのエンジンが最適な運転温度に達するまでの間は燃費効率は極めて低く、ガス排出量レベルは高い。そのため、排出ガス規制をクリアする上での課題の1つとなっている。

ボルグワーナーは、排気ガス再循環(EGR)システムと排熱リカバリーシステム(WHRS)を組み合わせ、EGRクーラーやバルブなどの熱伝達や排ガス後処理技術の知見をもとにして、EHRSを開発した。

同システムは、通常であれば排気管を通して排出される排気ガスの熱を利用する。エンジン暖機時間を短縮して効率を高め、燃費を向上させることで、ガス排出量が大幅に低減する。

エンジンのコールドスタートの間はバルブによって排ガスの流れを制御し、熱交換器に誘導された排ガスの熱を利用して自動車のサブシステムにある流体を加熱。これによってエンジン暖機が速まり、ガス排出量の低減や燃費効率の改善が可能になった。燃費は最大で8.5%改善した。

特に、同社の低圧EGRバルブは燃焼室内の温度を正確に制御できるため、エンジン効率と燃焼タイミングの改善に貢献。さらに、この技術によって一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOX)、粒子状物質(PM)の排出量が低減される。

また、コンパクトで軽量なため、既存の車両に簡単に導入できるという。

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