ロボットが航空機エンジンを整備する――未来を作るロールス・ロイスのロボット技術

ロールス・ロイスは、2018年7月の「ファーンボロー国際航空ショー」で、ロボット技術を駆使した航空機エンジン整備の将来像を発表した。

同社によれば、エンジン内部を検査する「SWARMロボット」、エンジンに組み込まれる「INSPECTロボット」、遠方から技術者が遠隔操作できる「Remote Bore blendingロボット」、蛇のようにエンジン内を這うように移動できる「FLAREロボット」などを研究しているとのこと。

SWARMロボットは、直径10mmほどの小型ロボットの集団(Swarm)。狭い空間にも入り込める「スネーク」ロボットによって、エンジンの中心部へと運ばれ、内視鏡のようにエンジン内を素早く検査することができる。



INSPECTロボットは、鉛筆ほどの大きさの「潜望鏡」のようなロボット。エンジン内部の高熱にも耐えられるよう熱的に保護されており、エンジン各部に組み込まれる。そのカメラ画像から異常個所の特定や、メンテナンスの必要性を検査し、同社のエンジンヘルスモニタリングシステムによって管理されるデータ群とネットワークできる。



Remote Bore blendingロボットを使えば、現場にいる作業者の力量に関わらず、遠隔地にいる熟練作業者がエンジン内部のタービンブレード修理などの高度な作業を、エンジンを降ろすことなく実施できる。そして1対の蛇のようにエンジン内部を這い回れるFLAREロボットを使えば、エンジンを分解することなく遮熱コーティングにパッチを当てることもできるという。






ロールス・ロイスは、これらの技術によって、エンジンの整備時間を短縮し、可用性を向上することを目指している。同社は、ハーバード大学やノッティンガム大学など、世界各地の研究機関と協力してロボット工学に携わっており、これらのロボット技術も大学とのパートナーシップによるものだ。ロールス・ロイスのJames Kell博士は、「我々はこの分野で素晴らしいパートナーネットワークを持っている。SWARMロボットのような技術が現実のものとなるまでにはまだ時間がかかるが、将来エンジン整備の考え方に革命を起こす可能性がある」と述べている。

関連リンク

Rolls-Royce demonstrates the future of engine maintenance with robots that can crawl inside engines

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