電気・制御系エンジニアにとっての自動化マーケットの現状は?アーリーアダプターによる求人増のフェーズへ[“完全”自動化の時代へ]


~ 工場自動化(FA)の最新事情をエンジニアリングの分野別に考える ~

本記事は、エンジニア専門の人材紹介会社メイテックネクストのキャリアコンサルタント筧 隆志氏への取材を通じて、工場自動化(FA:ファクトリーオートメーション)の最新事情をお伝えしていく連載記事です。

今回から、工場自動化にかかわる電気・制御系エンジニア市場の動向をテーマにしていきます。(執筆:中嶋嘉祐)


――まず、工場の自動化を推進するため、特にどのような製造業種が電気・制御系エンジニアを求めているのでしょうか?

[メイテックネクスト 筧 隆志氏]実際に各製造業の工場自動化を考える場合、そのニーズに応えるのはいわゆる設備メーカーになります。この設備メーカーが目的とする設備を開発するため、種々のセンサーやモジュール、カメラなどから制御のための産業用PCまで、多岐にわたる部品や装置を必要としますから、求人自体は幅広く増えています。

また産業用ロボットについても、ユーザー企業が利用できるようにロボットメーカー製のロボットに付加価値をつけるというような企業の求人もみられます。

自動化のアーリーアダプターによる求人が増加の兆し

――どこか特定の会社が盛り上がっているわけではなく、工場自動化に関連する会社すべての求人が増えてきているということでしょうか。ここに来てインダストリー4.0やスマートファクトリーという言葉が実体化し始めているということなのでしょうか?

[筧氏]確かにここ数年、IoTやインダストリー4.0に関連した求人は潜在的にはありましたが、まだまだ様子見という姿勢の企業が多かったように見受けられました。業界全体では、それほど急激に加速する必要性がなかったということなのですが、2017年の秋頃から自動化に関連した求人が増えてきています。

これは、工場自動化についてもイノベーターといえる企業が先行して実績を残し、業界的にもいま数社のアーリーアダプターが動き始めていて、そこで採用が生まれ始めているといえると思います。まず欧米のメーカーが自動化を進め、それから日本のメーカーが動き始めているようです。

自動化は付加価値あるスキルを高めるチャンス

――今後日本の工場自動化においてどのようにニーズは変化していくでしょうか?

[筧氏]まず自動化がどんどん広まっていくフェーズでは、立ち上げのところで多くのニーズがあるでしょう。そしてその後は運用、改良、改善の部分でニーズが高まります。

エンジニアは、今後のニーズの変化にあわせて、自分がやらなくてもいい仕事は機械に任せて、自分自身のスキルを高めることが重要です。そうすることで、より付加価値の高い仕事ができるようになるでしょう。

次回は、自動化にかかわる電気・制御系エンジニアに求められている技術領域について、説明したいと思います。



筧 隆志(メイテックネクスト 電気・電子・半導体分野 コンサルタント)

<メッセージ>
電気設計エンジニアの視点とグローバルな視点から、皆様と企業との最適なマッチングを実現したいと考えています。
短期的にだけでなく、長期的にも良かったと思えるような転職をして頂けるように、精一杯支援致します。


取材協力先

メイテックネクスト
メイテックネクスト分野別コンサルタント

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