電通大と慶大、量子操作の原理的限界を与える不等式を導出――量子操作の不確定性関係を発見

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電気通信大学と慶應義塾大学は2018年9月14日、量子操作には原理的限界が存在し、その操作を行う装置のエネルギーとの間にトレードオフ関係式が成立することを発見したと発表した。

近年、ナノスケールで動く精巧なデバイスやマシンの研究が活発に行われている。こうした非常に小さな世界では、日常的な直観とは異なる量子力学の効果が顕著に表れる。そこで、その効果を利用した、従来の方法では実現できなかった新しい性能を持つ量子デバイスや量子機械の実現を目指す研究が行われている。

重ね合わせの原理

一方で、こうしたナノスケールのデバイスや機械を実現させるには、微小な対象を、高精度で操作/制御する必要がある。しかしこれまで、「その操作により何ができるのか?」ということに関しては多く研究されてきたが、「どのような装置であれば、その操作を行うことができるか?」ということについてはあまり深く考察されていなかった。

そこで研究グループは、操作対象のみならず装置まで含めて全体を量子力学で取り扱い、操作を実現する際に、満たさなければいけない装置の条件を定量的に解析した。その結果、操作精度を向上させるためには、操作を行う装置のエネルギーがその分だけゆらぐ必要があるというトレードオフが存在することがわかった。そして、操作の誤差と装置のエネルギーのゆらぎの関係を不等式の形で厳密に証明した。この不等式は、「不確定性関係」が、量子系の操作に対しても存在し、それが操作の原理限界を与えることを意味しているという。

USは「実行したい操作」、HSは「操作対象の時間発展操作」を表す

この成果は、量子コンピュータなどで用いられる量子デバイスの設計やナノテクノロジーの開発に役立つという。また、今後は、この不等式の緻密化や新たな類似の関係の発見、さらには、具体的な制御装置への応用などが重要になるとしている。

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