「メールよりチャット」はまだ先? チャット利用は10%程度か。利用率トップは「Slack」【ビジネスツール調査:チャット/コラボツール&タスク管理ツール編】

ポイント

  • ビジネスチャット/コラボツールの認知率、どのツールもエンジニアが上回る
  • 高年収ほど積極活用? 年収600万円以上の利用率、「Microsoft Teams」(9.3%)、「Slack」(8.1%)
  • 遠隔地にいる社員や顧客との連絡手段として活用
  • チャット/コラボツールの利用満足度、「トークノート」「Workplace by Facebook」が上位に
  • タスク管理ツールの認知率、最も高かった「Redmine」でも6.0%
  • 製造・IT系エンジニアが最も使うタスク管理ツールは「Redmine」(7.0%)
  • Redmineは「情報共有にも有用」、backlogは「ゴールまでのタスクが明確に」
  • 利用者の満足度が高かったタスク管理ツールは「Wunderlist」「Backlog」など

調査概要

エンジニアのためのキャリア応援マガジン「fabcross for エンジニア」は、25~59歳の会社員400人(一般200人、製造・IT系エンジニア200人)を対象に、「ビジネスツール」に関するアンケート調査を行いました。

SNS、チャット/コラボツール、オンラインストレージ、タスク管理といったビジネスツールの認知率・利用率を調べたレポートをご紹介する今回の調査、本記事ではチャット/コラボツールとタスク管理ツールの認知率・利用率をレポートしていきます。

最近では、「メールを利用するよりもビジネスチャットを活用した方が業務効率を改善できる」と訴える声が目立つようになってきました。「メールよりも返信が速い」「あいさつなどの文章を考えなくてもいいからチャットの方が楽」「容量を気にせず画像・文書などのファイルを送れるので、情報共有しやすい」などの利点があげられます。社内のチームごとのコミュニケーションや外部スタッフを含めたプロジェクト単位での連絡のために、ビジネスチャットを利用するようになった方も少なくないでしょう。

また、業務で発生したタスクを管理するツールについても活用する人が増えていますが、それぞれよく使われているツールはどうなっているのでしょうか。

本記事では、そんなビジネスチャット/コラボツールやタスク管理ツールについて、最もよく利用されているツール、具体的な活用例などを取り上げていきます。

調査結果サマリー

ビジネスチャット/コラボツールの認知率、どのツールもエンジニアが上回る

・主なビジネスチャット/コラボツールの認知率を調べたところ、「チャットワーク」が11.0%でトップ。続いて「LINEWORKS」(10.0%)、「Slack」(9.2%)、「Microsoft Teams」(8.0%)という結果になった。ビジネスチャットの利用者は増えているとしても、まだ十分に認知されているとは言えないようだ。

・一般と製造・IT系エンジニアとに分けて認知率を集計したグラフは次のとおり。どのツールについても、製造・IT系エンジニアの方が認知率は高く、「チャットワーク」(14.5%)と並び、「Slack」(14.5%)の認知率が1位となった。

高年収ほど積極活用? 年収600万円以上の利用率、「Microsoft Teams」(9.3%)、「Slack」(8.1%)

・実際に、業務の中で使われているのは、どのビジネスチャット/コラボツールなのだろうか。ツール別の利用率を尋ねたところ、次のグラフのような状況だった。

・認知率では「チャットワーク」「LINEWORKS」がトップ2だったが、利用率で見ると「Slack」(4.0%)が1位、「Microsoft Teams」が2位となった。

・職業別に利用率を調べたところ、製造・ITエンジニアの6.5%がSlackを利用していることが分かった。

・また今回調査対象にしたビジネスチャット/コラボツールのうち、1つ以上を利用していた回答者の割合は8.8%だった。ビジネスチャット/コラボツールを利用している人の割合は、10%前後くらいではないかと考えられる。

・年収や残業時間についても答えてもらい、ビジネスチャット/コラボツールの利用率をクロス集計した。

・「Microsoft Teams」(9.3%)や「Slack」(8.1%)といったツールは、年収600万円以上の回答者で利用率が大きく伸びた。


遠隔地にいる社員や顧客との連絡手段として活用

・こうしたビジネスチャット/コラボツールの活用事例について、自由回答形式で答えてもらった。主な活用事例として、次のような回答が届いている。

【チャットワーク】
・情報共有のために使っている[IT系エンジニア/20代男性]

【LINEWORKS】
・遠隔地にいる社員とのリアルタイムな連絡に利用[IT系エンジニア/40代男性]

【Slack】
・チーム内の連絡用[IT系エンジニア/50代男性]
・海外のエンジニアがすぐ捕まるので緊急の事態でも連絡が取りやすい[IT系エンジニア/30代男性]

【Microsoft Teams】
・色んなツールがクラウドで利用できるように統合されていて便利です[製造系エンジニア(制御・ソフトウェア系)/40代男性]

チャット/コラボツールの利用満足度、「トークノート」「Workplace by Facebook」が上位に

・チャット/コラボツールの利用満足度は次のとおり。利用者数は少ないが、「トークノート」「Workplace by Facebook」の利用者は高得点を付けていることが分かる。

タスク管理ツールの認知率、最も高かった「Redmine」でも6.0%

・ビジネスチャット/コラボツールと同様に、主要なタスク管理ツールでも認知率はかなり低く、最も高い「Redmine」でも6.0%、次点の「Github issue」でも5.5%にとどまった。

・職業による認知率の違いは次のとおり。製造・IT系エンジニアの1割ほどは「Redmine」「Github issue」について認知していた。

製造・IT系エンジニアが最も使うタスク管理ツールは「Redmine」(7.0%)

・ビジネス利用率についても、タスク管理ツールは低い水準となった。最も利用率が高かった「Redmine」でも3.8%。「Redmine」認知率が6.0%だったことから、認知している人のうち6割強が利用しているとも言える。

・認知率と同様、職業別のビジネス利用率でも「Redmine」は7.0%と、製造・IT系エンジニアの中にはある程度の利用者がいることが分かった。

・今回調査したタスク管理ツール6つのうち、いずれか1つ以上を利用している割合は6.3%だった。

・年収や残業時間とタスク管理ツールの利用率をクロス集計した結果は次のとおりとなった。

Redmineは「情報共有にも有用」、backlogは「ゴールまでのタスクが明確に」

・タスク管理ツールの利用者からは、次のような活用例が寄せられた。

【Redmine】
・プロジェクトやチームの課題管理に使っています。また情報共有にもとても有用です[IT系エンジニア/50代男性]
・課題管理、作業管理で[製造系エンジニア(制御・ソフトウェア系)/50代男性]

【backlog】
・お客様と進捗報告に使用[IT系エンジニア/20代女性]
・クライアントとのプロジェクト進捗管理に強制的に使わされているが、ゴールまでにすべきことが明確にわかるので効率的である[総務・人事・経理職/50代女性]

利用者の満足度が高かったタスク管理ツールは「Wunderlist」「Backlog」など

・タスク管理ツールの利用満足度については、「Wunderlist」(4.20点)、「Backlog」(4.14点)などが高くなった。


【調査概要】
調査方法:ネットリサーチ
期間:2018年6月14日~20日
対象:会社員400名(一般200名、製造・IT系エンジニア200名)


–メディア関係の皆様へ—
本調査データは、ぜひ記事などでご自由にご活用ください。
記事での紹介・引用時には、エンジニアのためのキャリア応援マガジン「fabcross for エンジニア」調べ、など、調査元を明記ください。
Webサイトでご紹介いただく際は、本記事のURLにリンクを貼っていただけると幸いです。

「メールよりチャット」はまだ先? チャット利用は10%程度か。利用率トップは「Slack」【ビジネスツール調査:チャット/コラボツール&タスク管理ツール編】

グラフデータは当ページからダウンロードいただくか、より高画質のデータをご希望でしたら、お問い合わせページよりご連絡ください。
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