CFRPのプレス加工、5~10分ほどの加熱時間を30~90秒へ短縮する「HDサーモⅡ/CP」を開発

中部電力と豊電子工業は2018年10月9日、東芝機械と協業し、産業用炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の加熱時間を、数分の1程度へと短縮する急速加熱装置「HDサーモⅡ/CP」を開発したと発表した。

CFRPは鉄と比べて、重量が4分の1でありながら強度は2.5倍にもなる。自動車の骨格や構造部品の素材として有望視されているが、厚さ2~5mmほどのCFRPの板をプレス加工する際には、従来型の遠赤外線式加熱装置で約5~10分ほどの加熱時間がかかっていた。

HDサーモⅡ/CPは、約400℃の過熱水蒸気を吹き出し、約500℃の電気ヒーターで昇温しながらCFRPに吹き付ける。従来のやり方よりもCFRPに与える熱量が上がり、加熱時間を約30~90秒にまで短縮できる。

さらに無酸素に近い状態の装置内で、高温の過熱水蒸気によって加熱するため、CFRP全体を均一に加熱できる。温度ムラを30℃以内に抑えられ、焼損なども防げる見通しだ。

さらに、吹き付け後の過熱水蒸気は装置内のファンで循環させて、電気ヒーターで再昇温してCFRPの加熱に再利用する。そうした仕組みになっているため、省エネ性にも優れているとうたっている。

HDサーモⅡ/CPの参考価格は2400万円(税別・工事費別)。10月15日から豊電子工業が販売する。

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