安全性を高め環境負荷に配慮――マクセル、医療ヘルスケアパッチ向け薄型フレキシブル電池「Air Patch Battery」を開発

マクセルは2018年11月8日、安全性や環境負荷に配慮したディスポーザブル電池「Air Patch Battery(エアーパッチバッテリー)」を開発したと発表した。同社がIoTやウェアラブル機器向けコイン形電池やボタン形電池などで培った材料技術と製造技術に安全設計技術を融合し発展させたもので、経皮投薬や連続血糖値モニターなどに用いられる医療ヘルスケアパッチに適する。

世界の医療機器市場の中でも医療ヘルスケアパッチ市場は、インスリンや鎮痛剤などの薬剤投与のほか、血糖値、心電図、体温、皮膚の状態などの生体データ取得に用途が広がりつつあり、急速な普及が見込まれている。医療ヘルスケアパッチは、主に人体に直接に貼り付ける用途のため高い安全性が求められるが、市販品は電池の材料に酸化マンガン、リチウム、有機溶剤などを含んでおり、パッチの破損などにより電池内部材料が外に漏れ出た場合の人体への影響や、廃棄した場合の環境への影響が懸念されていた。

今回、同社が開発したAir Patch Batteryはこれらの有害物や危険物を使用せず、水系電解液などを採用することにより安全性を高めた。また材料改良により、従来の水溶液系電解液を用いたラミネート電池比2倍以上のエネルギー密度を実現しており、医療ヘルスケアパッチ用途として安全性と長時間の使用を両立した。外装には1mm以下の薄さとフレキシブル性を備えたラミネート素材を採用することで、人体に貼り付けた際に違和感の少ない装着性を実現した。同社は2020年の量産を予定している。

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