太陽電池と液体電池を直結——太陽光で電池を即時充電可能に

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ウィスコンシン大学マディソン校の研究チームが、太陽光発電で得た電力を液体電池の電解液に直接送ることで即座に充電する装置を開発した。大容量のエネルギー貯蔵とコスト削減が見込まれるため、大規模な電力グリッドへの活用が期待される。

研究チームは今回、標準的なシリコン太陽電池をレドックス・フロー電池(RFB)の反応槽と統合し、太陽光発電と液体電池が直結プロセスとして統合された単一の装置を開発。これにより、太陽光発電で電力を取り出してから電池を充電するという従来の中間ステップを省略した。

太陽電池とRFBの反応槽が統合された同装置では、太陽電池で得た電気が直ちに電解液の酸化還元反応を引き起こす。その後、酸化還元反応によって充電された電解液は、循環ポンプにより貯蔵タンクに流送・貯蔵される。

要するに研究チームが開発した装置は、太陽エネルギーをRFBの電解液に直接送り込み、即座に化学エネルギーに変換した上で電解液タンクに貯蔵する。この過程で充電された電解液は、必要なときにRFBの中に戻すことで、外部に電力を供給できる。

太陽電池をRFBと組み合わせたシステムの例は他にもある。だが、このように太陽光発電と液体電池が直結プロセスとして統合された単一の装置はこれまでになかった。

太陽電池をRFBと統合した装置、最も有望なグリッドレベルの電力貯蔵法となるか

太陽光発電が全発電量の大きな割合を占め始めた昨今でも、夜間に発電が停止するという問題は残されたままだ。だがリチウムイオン電池は、電力グリッドのように大規模に使用するには高価過ぎる。

一方、今回開発された装置はエネルギー貯蔵量とコストの両面で、大規模な電力グリッドへの活用に適している。研究チームのリーダーである化学科のJin教授は、「RFBは比較的安価。その上、電解液タンクを必要な限り建設すれば、いくらでも大量のエネルギーを貯蔵できる」と語る。

リチウムイオン電池がエネルギーを固体電極に貯蔵するのと異なり、RFBは化学エネルギーを電解液に貯蔵する。そして、現在使用されている水溶性電解液は、多くの他の電池でコストアップの原因になっている高価なレアメタルを含まない。

またJin教授は、「私たちが開発した装置は、太陽電池が直接電解液を充電するため、2つの仕事を1回で済ませられる。コストダウンが可能であり、また高効率だ。繰り返し充放電してもほとんど効率損失が無く、長寿命が期待できる」と装置の利点を述べた。

同教授らの研究チームは今後、装置をさらに改善するつもりだ。改善案の1つとして、太陽電池の出力電圧を電解液組成に適合させ、エネルギーの変換貯蔵に関わる損失を極小化させることを挙げる。他には、現在エネルギー貯蔵容量に限界を与えている差動電圧について、より大きな差動電圧を与える電解液を探索するとしている。

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