クリーンな火力発電の切り札、超臨界圧発電で活躍するニコンの三次元測定機「ALTERA CMM」

ニコンの米国法人Nikon Metrologyによれば、CNC機械加工を手掛けるインドのSri Sai durga Engineering(SSDE)は、Nikonのブリッジ型三次元測定機「ALTERA CMM」を利用して超臨界圧発電用タービンブレードを製造し、効果を上げている。

インド政府は「緑の未来」と経済発展を共に推進しており、火力発電においては従来の亜臨界圧発電から、環境負荷の低い超臨界圧発電へのシフトが求められている。

火力発電では水を熱して蒸気に変え、タービンを回して発電する。水を臨界点以上に加熱/加圧(374℃、220気圧)すると、液体と気体が混在する沸騰状態を起こすことなく蒸気へと変わる。これを利用する超臨界圧火力発電では、潜熱(気化熱)によるロスが少なく発電効率が高く、したがってボイラ用化石燃料の消費量が少なくなり、二酸化炭素の排出量も削減できる。

しかし、超臨界水用タービンブレードは複雑な形状をしており、従来の検査方法では測定/精度保証が難しい。SSDEでは、ALTERA CMMを導入することで、超臨界発電用タービンブレードをミクロン単位で検査・品質管理することに成功した。また、ALTERAと共に導入した測定用ソフトウェア「CAMIO」により、検査サイクルを30%改善することができたという。

SSDEのNaveen Reddy氏は、「亜臨界圧用ブレードと超臨界圧用ブレードでは、品質要件は大きく異なる。高温高圧の蒸気に曝される超臨界圧用ブレードには、高強度かつ複雑な形状を高い精度で製造することが求められ、それには従来よりもはるかに精密かつ効率的な検査手法が必要となる。」と述べている。

SSDEでは、Nikonが提供するALTERA CMMなどのソリューションにより、従来方式に比べ発電効率が40%も向上した超臨界圧発電のコンポーネントの製造が可能となった。SSDEが製造するコンポーネントの信頼性は高まり、同社の経営理念でもある顧客満足度の向上に大きく寄与しているという。

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New case story: ALTERA CMM critical in manufacturing of fuel-efficient power generators

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